ソフトバンクは12月19日、アジア太平洋地域の8社共同によるコンソーシアムで建設を進めてきた、中国、日本、フィリピン、シンガポール、タイおよびベトナムを結ぶ大容量光海底ケーブル「Asia Direct Cable(ADC)」の建設を完了し、同日より運用を開始したと発表した。
ADCは総延長距離約1万kmの光海底ケーブルで、最新の光波長多重伝送方式を採用し、160Tbps(テラビット毎秒)以上のトラフィックを伝送できるように設計されている。同ケーブルの運用開始により、東アジアおよび東南アジア地域における大容量のデータ伝送が可能になる。
また同ケーブルは、日本とシンガポールを結ぶ基幹システムとしては約8年ぶりに新設された光海底ケーブルになる。アジア地域で急増する通信需要に対応するための重要なインフラとして、新たなコミュニケーションの道を開き将来的な社会の発展につなげる。
ソフトバンクは、ADCの日本の陸揚げ局として、千葉県南房総市に所在する「ソフトバンク丸山国際中継所」を提供している。ソフトバンク丸山国際中継所は、2020年8月に運用を開始した太平洋横断光海底ケーブル「JUPITER」など多数の海底ケーブルが接続されており、2019年12月には、最新鋭のセキュリティ対策と強固な災害対策を施した新局舎が竣工し、国際通信のハブとなるデータセンターとして重要な役割を担っている。