LinkedIn日本代表・田中若菜が語る「AIの時代におけるキャリアアップ」

キャリアとは一生涯続けて身につけていくものー。AIの時代を迎え、大きな転換期を迎えています。ある調査では67%の日本のビジネスリーダーが競争力を維持するためにAIが不可欠であると認識している一方で、39%の会社がAIを効果的に導入するための明確な戦略を欠いていると感じています。

 AIの影響によって日々の働き方は変わりつつあるのです。例えば、富士通グループさんは2020年に「ジョブ型人材マネジメント」を導入し、「適所適材」の考え方の下、当社のラーニングを採用いただきました。結果、国内8万人の従業員のうち、95%以上が当社の「LinkedInラーニング」を利用し、新しいハードスキルやソフトスキルの習得に役立てています。

 なぜ、そのようなサービスを提供できるのか。03年に米国で設立した当社はビジネスに特化した世界最大のプロフェッショナルネットワークを構築しています。16年に米マイクロソフトのグループ会社になったことで、同社のAIを活用し、4.1万に上るスキルと2.3万のコースを構築し、今では世界200以上の国と地域に10億人以上の登録者をほこります。

 コロナ禍で人と人との結びつきやつながりが希薄化しました。しかしながら、当社の「リンクトイン」のプラットフォームでは登録するだけで、様々な人々とつながることができます。しかも、リアルタイムでアップデートできるため、表示されている情報は常に最新です。

 例えば、大学のOB同士がつながる場合でも、これまでは大学に問い合わせたり、知り合いの伝手を頼ったり、アナログかつ非効率な作業が必要だったものが不要になり、すぐにでもつながることが可能になります。

 単に知り合いとのつながりをつくるだけではありません。リントインでは登録すると、所属や肩書、連絡先といった情報のみならず、どのようなスキルを保有しているのかも表示できます。つまり、名刺では表しきれない情報を提供することで、ビジネスにおける最適なマッチングができるのです。

 人手不足が顕著になる中で、退職した元社員(アルムナイ)を再び採用するアルムナイ採用などにも生かしていただけますし、採用数に関係なくコストは一定です。企業が求める人材を、スキルデータを基にして探し当てることもできるのです。

 当社のビジョンは「世界で働くすべての人のために、経済的な機会を作り出す」です。ビジネスに特化している点が強みでもあります。先ほどのラーニングにしても、「ビジネス英語の基礎」「ビジネスリーダーに必要なAI」から「カスタマーサービスにおけるリーダーシップ」など、ビジネスに役立つスキルを初級から上級まで揃え、デジタル上でいつでも、どこでも気軽に学べる環境を整えています。

 当社は24年8月、本社移転を機に自社で制作スタジオを開設しました。リンクトインではAPAC(アジア太平洋)で唯一のライブアクションステージ形式のスタジオとなり、リスキリングの需要が高まる日本の労働市場への支援に取り組みます。

 私自身、父の仕事の都合で中学3年生から高校3年生までジャカルタで過ごし、異国の文化の中で育ちました。就職後、転職を5回以上経験し、その都度、何物にも代えがたい貴重な経験を重ね、様々なスキルを身につけてくることができました。

 どんな仕事にも学びがあります。「自分を高めたい」という意識を持つだけでも、人は自らの潜在力を掘り起せるのです。

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