旅先ファッションシェアサービス「FIT the Local」始動 旅行のさらなる価値向上目指す

FIT the Localはこのほど、自社の設立とその背景について発表した。旅先でのファッションアイテムのシェアサービスを通じて、旅行とファッションの体験をアップデートするサービスの提供を目指す。

FIT the Localは、「ホテルのクローゼットに旅の装いを用意して、現地に溶け込んで楽しむ体験を届けたい」という思いから誕生した。このアイデアは、当時、旅行会社で団体旅行の企画・マネジメントを行っていた現FIT the Localの取締役 鈴木万梨子氏により10年前に生まれたもの。

▲取締役 鈴木万梨子氏(クリエイティブ・ディレクター)

「旅を楽しみ、人生を楽しみ、自由に生きる人を応援したい」という現在も変わらぬ思いに、ファッションの領域で「服を楽しみ、人生を楽しみ、自分らしく生きる人を応援したい」と活動していた仲間が加わり、旅とファッションの両側面から、旅先の消費と装いのあり方をアップデートすべく、2024年に新会社を設立。新しい体制をスタート致した。

▲代表取締役 南部彩子氏

旅行・ファッションの業界知識、事業開発、PR、マーケティングなど、これまでの経験で培った知見とスキルを持ち寄り、想いを同じくする経営メンバーは、代表取締役を南部彩子氏、取締役をクリエイティブ・ディレクターの鈴木万梨子氏、取締役をエグゼクティブ・スタイリストの川村梨沙氏が務める。

▲取締役 川村梨沙氏(エグゼクティブ・スタイリスト)

FIT the Localのシェアサービスは、「現地にあるものを分かち合う」ということを大切にしており、人が手荷物だけで移動し、行先でシェアされたファッションアイテムで装い、自由に旅する未来を描いている。さらに、旅先でのファッションシェアサービスが旅を楽しく魅力的にするだけでなく、「よいものを分かち合うという体験」となり、「よいものをシェアして使う、必要以上に買わない、捨てない」という消費行動を促進し、モノ、地域、地球と共生する未来への貢献を目指す。

▲FIT the Localのシェアサービスは、「現地にあるものを分かち合う」ということを大切に

コロナ禍を経て、国内外の旅行は回復傾向にあり、2024年~2025年の年末年始(12月23日~1月3日)に1泊以上の旅行に出かける人を対象にした旅行動向見通しによると、総旅行人数は前年同期比2%増の2852万人、総旅行消費額は同6.3%増の1兆3460億円と推計されている。

量の回復とともに注目すべき変化は旅行者の地域還元志向の高まりであり、人々の消費は自らの満足のみならず、社会的な影響が消費の判断基準の1つになりつつあり、旅行においても、自らの行動を通じて、地域社会にポジティブな影響を与えたいという人々の傾向が見られるとした。

旅先でのファッションのあり方を提案することで、旅行者が非日常の旅で自分を満たし、楽しみ、新しい世界に出会うことと、地域と社会にポジティブな影響を与えることの双方を満たし、旅行の価値を高めることができるとの考えを示した。

FIT the Localは、特許庁事業「I-OPEN PROJECT」の伴走支援プログラムの2024年の支援先に選定されており、知財を活用した社会価値の共創を目指している。地域の文化や営みにある無形資産、衣服などの有形資産を守りながら、豊かに分かち合うことをリードする企業として進化し、さまざまな地域、アパレルブランド、旅行事業者との縁を重ねながら、2025年のサービスローンチを目指す。