既報のように、カイロスロケット2号機の打ち上げは、残念ながら2日連続の延期となってしまった。ちょうど週末だったということもあり、遠方から子供連れで打ち上げ見学に来ていた人も多く、見られずに帰るのは気の毒だったが、ロケットの打ち上げに延期は付きもの。こればかりは仕方ないところだ。

  • 公式見学場である旧浦神小学校

    公式見学場である旧浦神小学校。大勢の人が詰めかけた

筆者は2日とも、公式見学場である旧浦神小学校で取材。当初の予定だと、見学場の様子は打ち上げ後に記事にまとめようと思っていたのだが、打ち上げまで少し間が空いてしまったので、まずは延期当日の様子を先にお伝えすることにしたい。

打ち上げ見学初日(12月14日)

最初の打ち上げ予定日だった12月14日(土)。筆者は早朝、報道陣向けに用意されているはずのバスがなぜか手配されていなかったというトラブルに見舞われたものの、8時前に旧浦神小学校に到着。事前に入場チケットは購入してあったので、受付でそのQRコードを示し、記念品を受け取った。

  • 旧浦神小学校の入り口

    旧浦神小学校の入り口。絶好の打ち上げ日よりだったが……

  • 今回の記念品

    今回の記念品は、こてつくんのバッグに入っていた

  • 記念品のレジャーシート

    記念品のレジャーシート。実用性が高くて有り難い

旧浦神小学校は、グラウンドエリアと漁港エリアの、2カ所で打ち上げを見ることが可能だ。グラウンドエリアは、大型スクリーンでライブ中継もあり、イベント感を満喫できる。一方、漁港エリアは射場により近く、打ち上げの迫力を堪能したいのであれば、こちらもオススメだ。

  • 会場の案内図

    会場の案内図

  • グラウンドエリア

    グラウンドエリアには、たくさんの出店が並ぶ

  • 漁港エリア

    漁港エリアから見た射場方向の眺め

  • 校舎の前にはカイロスの実物大模型が立つ

    校舎の前にはカイロスの実物大模型が立つ。絶好の撮影ポイントだ

  • こてつくん

    ちなみにこてつくんは、那智勝浦町の応援アンバサダーである

打ち上げ見学の楽しみの1つは、出店での買い物である。今回も、地元ならではの食べ物やお土産がたくさん並んでおり、待ち時間に見るのにちょうど良かった。筆者は、カイロスTシャツや、じゃばら果汁の竜田揚げなどを購入した。

  • 串本古座高校CGS部は、カレーを販売

    串本古座高校CGS部は、カレーを販売。美味しそう

  • ごてんちょキッチン

    ごてんちょキッチンでは、我慢できず唐揚げを購入

  • 宇宙の店で販売されていたカイロスTシャツ

    宇宙の店で販売されていたカイロスTシャツ。これは買わざるを得ない

  • いざかたスタンド

    いざかたスタンドでは、こんなおにぎりが。やはり買ってしまいました

  • an寿anの人工衛星カステラ

    面白かったのが、和洋菓子 an寿anの人工衛星カステラ。箱は1Uサイズだ

  • 3箱買えば3Uキューブサットに

    3箱買えば、カイロス2号機に搭載されている3Uキューブサットになります

さすがに打ち上げ予定の11時まで3時間もあるので、筆者が到着した時点ではまだ人は少なかったものの、鉄道やバスの到着でどんどん人が増え、打ち上げが近くなるとグラウンドは人で溢れかえった。入場チケットの定員は2,500人だったので、そのうちかなりの人が集まったのではないだろうか。

しかし、スペースワンは10時半ごろに打ち上げの延期を発表。会場の大型スクリーンでそれが伝えられると、周囲からはがっかりする声が上がった。筆者は急いで荷物を撤収して帰路につき、翌日に備え、夜は早めに就寝した。

打ち上げ見学2日目(12月15日)

種子島での打ち上げだと、当日に延期になった場合、次は早くても3日後になるのだが、カイロスはまさかの翌日スライド。基本的に前日と同じスケジュールのため、今回も5時起きで行動を開始した。ただ、この日はJRの始発で見学場へ向かった。鉄道でロケットの打ち上げを見に行けるというのが、カイロスの面白いところである。

  • 2日目

    2日目ということもあってか、車内はかなり空いていた

見学場の最寄り駅は、紀伊浦神駅となる。筆者は宿泊先そばの紀伊勝浦駅より乗車したが、わずか15分で到着するという近さはすごく便利だ。紀伊浦神駅では、記念のステッカーが配布。そのほか、駅舎は新しく塗装されており、新たな観光の目玉として、地元からの期待の高さがうかがえる。

  • 配布されていた限定記念ステッカー

    配布されていた限定記念ステッカー。往路と復路でデザインが違うらしい

  • 紀伊浦神駅は、新しく塗装

    紀伊浦神駅は、新しく塗装。打ち上げ日限定という特別暖簾も飾られていた

今回は翌日への延期で、しかもそれが日曜ということもあって、わりと来やすい条件ではあったものの、それでも前日に比べると、来場者はかなり減った印象。出店も少し減っていたが、ただ、初号機の延期では撤去されていた大型スクリーンが、今回はまだ残っていたのは良かった。

  • 延期が発表される直前に撮影した見学場の様子

    延期が発表される直前に撮影した見学場の様子。空きが目立つ

この日も、現地の天候は快晴。絶好の打ち上げ日和なのだが、問題は地上の天候ではなく、高度10kmあたりの高層風である。事前に調べた感じでは、前日からそれほど弱くなった感じでは無かったので、ちょっと気になっていたのだが、やはり前日と同じように、10時半ごろに延期が発表されてしまった。

  • 三脚を3本並べただけで、カメラを置く前に撤収です……

    筆者はこの日、三脚を3本並べただけで、カメラを置く前に撤収です……

今度も注目は高層風か?

そして次の打ち上げ日は、18日(水)に決まった。今度は平日ということもあり、来るのが難しいという人も多いだろうが、それよりも、とにかく気になるのは高層風の状況である。WindyというWEBサイトで予報を確認すると、18日11時はやや弱まりそう。19日と20日にはさらに弱まるが、それ以降は再び強まるという傾向になっている。

以下のURLでは、射場近辺の上空10kmの予測を見ることができる

https://www.windy.com/?250h,34.982,131.107,5,m:eA3ajVE

地上の天候はしばらく問題なさそうな予報なので、18日に打ち上げられるかどうかは、高層風次第となりそうだ。筆者はとりあえず打ち上がるまで那智勝浦町に滞在するつもりでいるのだが、なるべく早く打ち上がることを期待したい。

  • 那智勝浦といえばマグロ

    那智勝浦といえばマグロ。まあ延期になったらなったで堪能しているので良いのだが……