クラシコム、第1四半期の連結売上7.7%増の19億円 マーケ投資強化で新規顧客の獲得好調

雑貨やアパレルなどを扱うECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの2024年8‐10月(第1四半期)の連結売上高は、前年同期比7.7%増の18億9500万円だった。マーケティング投資の拡大により、エンゲージメントアカウント数や新規会員数が伸びたことが増収に寄与した。

「北欧、暮らしの道具店」単体の売上高は、12・0%増の18億5449万円となった。商品カテゴリー別では、オリジナルの基礎スキンケアを初めて販売したコスメや、新商品の開発に注力したアパレルが成長している。

「全体感として、良い状態をキープできていると思う。予想を上回る進捗により、通期業績予想数値と配当予想を情報修正した」(取締役 山口揚平CFO)と話した。

▲取締役 山口揚平CFO

<2軸の広告で効果>

同社はマーケティング投資を拡大し、新規顧客を獲得することで2027年7月期までに連結売上高100億円規模を目指す中期成長戦略を掲げている。第1四半期には、同175.5%増の2億6900万円のマーケティング投資を実施した。

▲マーケティング投資の内容

スマホアプリダウンロードを訴求するオンライン広告により、アプリダウンロード数や購入者数は大きく伸びたという。今年11月にアプリダウンロード数は400万件を突破し、売り上げの約7割がアプリ経由となっている。

「新規のアプリダウンロードユーザーによるCVRやLTVは、従来の顧客とほぼ変わらないことを確認している。引き続き、購入機会や動機を増やす商品展開やアプリのユーザー体験の向上で、リピートを促す方針。今後も、新規顧客の行動を注視していく」(青木耕平社長)と説明した。

▲青木耕平社長

認知拡大を目的としたマス広告として、今年9月に関西地方でテレビCMを放映した。

「懸念するリスクとして、ターゲット層がテレビを見ていないことがあったが、メインターゲットである40代以上の女性がよく見ていた。ブランド認知度の向上といった効果があった」(同)と振り返った。

今後のマーケティング戦略については、「オンライン広告でアプリダウンロード獲得した方が効率は良いが、余地が無限にあるものではない。しっかりと多くの人に認知を届けるコミュニケーションが必要だと思う。今回のテレビCMの放映は、認知の広げ方を理解できる機会となった。これからも投資回収を意識しながら計画通りの投資をしていく」(同)とした。

<D2Cアパレルブランド「foufou」は苦戦>

D2Cアパレルブランド「foufou(フーフー)」の売上高は、同59.8%減の4204万円だった。

予想を下回る結果となったことについて、「利益を確保するための値上げを春夏期からしているが、単価が高い秋冬期では、値上げ幅がより顧客にとって強く響いてしまったのではないかと思う。経営基盤はしっかりと固めることができているので、売り上げを伸ばすことに注力する」(同)と説明した。