Shopify、「Winter '25 Editions」でPOS、ワークフロー、注文処理など150超の機能アップデート発表

Shopify(ショッピファイ)の日本法人であるShopify Japanは12月12日、年2回発表している「Boring Editions」として「Winter 25 Edition」を発表した。派手な新機能の追加はないが、150以上の製品アップデートは事業者のフィードバックに基づいて開発したもので、ビジネス運営を改善し、よりスムーズな体験を提供する。

Shopify Japanは、年に2回「Boring Editions」を発表している。150以上のアップデートを含む「Winter 25 Edition」では、Shopifyの既存機能をさらに改善して、「退屈(Boring)」という言葉が事業者にとって何を意味するのかを再定義した。

今回のアップデートは、事業主の実用的なニーズに焦点を当てており、よりスムーズで高速、かつ効率的なプラットフォームを提供する。具体的には、注文や返品管理のあらゆる側面をサポートする強化ツール、マーケティング、および業務の自動化機能、読み込み速度を最大50%向上させる最適化されたカートインフラを含む。これらにより事業者は、より簡単かつ正確にビジネスの運営が可能になる。

今回のリリースでは、オンラインと対面販売のギャップを埋めて、オムニチャネル・ショッピング体験の向上する事にも重点が置かれている。日本における「Shopify」の店頭POS取引の売上は、ブラックフライデーからサイバーマンデーにかけて前年比で36% 増加しており、今回の機能強化はまさにタイムリーなものとなっている。「Shopify POS」によるバンドル機能、分割画面検索ビュー、カスタマイズ可能なチャネルなどのアップデートにより、小売業者はより柔軟かつパーソナライズされたサービスを受けられ、どこでも顧客の期待に応えることができる。

「Winter 25 Edition」について、Shopify Japan 暫定カントリーマネージャーのショーン・ブロートン氏は、「Winter 25 Edition は、プラットフォームを改善し続けて、小売業者に最高の機能を提供するという当社の継続的な取り組みの証です。物事を複雑にしすぎるのではなく、『Shopify』のコア機能の改良に注力しました。当社は、提供内容を常に評価し、小売業者からのフィードバックに耳を傾け、彼らが本当に必要とするアップデートを提供しています。最終的には、小売業者の成功が当社の成功であり、当社は小売業者の繁栄を支援することに全力を尽くしています」とコメントした。

「Winter 25 Edition」でリリースされるアップデートの中で注目の機能・製品については、「顧客のアカウント体験の進捗管理」「反復作業を避けるためのワークフロー改善」「パーソナライズされたShopifyチェックアウト」「 Shopify POSのアップグレードによるスムーズな対面販売」「様々なニーズに応える配送オプション」のテーマに分けてピックアップした。

「顧客のアカウント体験の進捗管理」では、パスワード不要のログインにより、統一されたアカウントで注文と返品が管理できるシームレスな注文と返品の管理機能。「Zigpoll」などのアプリを活用してフィードバックを収集し、単一の顧客記録に保存することで、よりよい顧客関係の構築に貢献する機能。コード不要で顧客アカウントページにパーソナライズされた体験を数分で構築できる機能。これまで課題があったというB2B機能では、、見積もり 、請求書発行、一括注文、B2B専用ストアフロントなどのセルフサービス機能を簡単にカスタマイズ可能となった。

「反復作業を避けるためのワークフロー改善」では、在庫管理、ロイヤリティプログラム、割引設定など、繰り返し作業を排除するカスタムワークフローを設定可能な「Shopify Flow」を改善。返品ワークフローの多くを自動化し、商品が返送されない場合は返品をキャンセルもできる返品と交換、Flowライブラリから簡単にアクセスできるようになったマーケティング自動化、顧客が参加、または離脱したタイミングで、業務ワークフローや重要なマーケティングを自動化できるセグメントトリガーなどが改善された。

「パーソナライズされたShopifyチェックアウト」では、最適化されたカートインフラによりロード速度が最大50%向上し、チェックアウトブロックがすべてのプランで利用可能となった。カスタマイズされた購入完了ページも作成できる。また、チェックアウトのカスタマイズ、顧客のニーズに合わせた商品構成や購入オプションをカスタマイズできるB2B向けバンドルオプション、Shopify Functionsを活用したチェックアウトルールや支払い・配送のカスタマイズが、見積注文でも実行可能になるサポート機能といった機能を強化することで、新規注文についても改善している。

「Shopify POSのアップグレードによるスムーズな対面販売」では、Shopify POS を通じてバンドル商品を直接管理および販売できる「Shopify POS」のバンドル機能、POSの検索結果が分割画面ビューで表示される分割画面での販売、POSでもメタフィールドが利用可能となり、販売者が自社で収集したデータを活用して、より効率的なマーケティングコミュニケーションを実現できるPOSのメタフィールドなどの機能を改善した。

「様々なニーズに応える配送オプション」では、発送および配送設定が、FacebookやAmazonなどの第三者チャンネル、見積注文の請求書、定期購入注文、注文の編集を含むより多くのShopify注文ソースに適用されるようになった。従来は事業者が設定した注文ルーティングを制御するルールや設定はオンラインチェックアウト注文にのみ適用されていたが、事業者は1度だけ発送ロジックを設定するだけで済むようになり、時間の節約、過剰販売の防止、エラーの発生を減らすことができる。