米Googleは12月13日(現地時間)、AIリサーチアシスタント「NotebookLM」のデザインを一新した。また、Audio Overview(音声の概要)にAIホストと対話できる機能を追加。企業や教育機関向けにプレミアム機能を備えたサブスクリプションプラン「NotebookLM Plus」の提供を開始した。

NotebookLMは、クラウド上で利用可能なデジタルAIノートブックである。情報ソースとして、資料やデータ(ドキュメント、オーディオ)、テキストメモ、WebページやYouTubeのURLなどをアップロードすると、その内容を解析したAIを活用できる。例えば、研究者が論文やレポートをアップロードして要点を抽出したり、学生が教科書や講義資料をアップロードして試験対策に活用することが可能である。

新デザインは3カラムレイアウトで、以下の3つのエリアで構成される。

  • ソースパネル:アップロードした資料やWebから収集した情報、メモなどのソース情報を管理
  • チャットパネル:AIチャットボットと対話
  • スタジオパネル:メモ、学習ガイド、ブリーフィングドキュメント、Audio Overviewなどを作成

これまでのNotebook Guideパネルにチャットとスタジオ機能が混在していたデザインと比べて、情報やコンテンツをより直感的に管理・生成でき、ソースの閲覧からアイデアのキャプチャや整理までよりシームレスに行えるようになった。

Audio Overviewは、9月に追加された新機能であり、2人のAIホストが語り合うポッドキャストのようなスタイルで、ノートブック内の情報の概要を生成する(現在、生成可能な言語は英語のみ)。人が話しているような自然な会話で、どのようなテーマでも親しみやすくわかりやすい内容に仕上げられる点が大きな話題となった。

新機能のInteractiveモード(Beta)は、ラジオ番組に聴取者が参加するように、Audio OverviewのAIホストの会話にユーザーが参加して質問できる機能である。Audio Overview再生中に「Join」ボタンを押して質問すると、AIホストが回答する。

NotebookLM Plusでは、作成可能なノートブックの規模が大幅に拡大する。個人向けの無料版がノートブック:最大100個、各ノートブックのソース:最大50個、各ソース:最大500,000語であるのに対して、Plus版ではノートブックが最大500個、各ノートブックあたり最大300個のソースを使用できるなど、少なくとも5倍の規模になる。1日のクエリ制限も増加し、1日あたり最大500 件のチャットクエリと最大20件のオーディオ生成が可能となる。さらに、ノートブック共有のカスタマイズ、「ガイド」や「アナリスト」など応答スタイルを選べる高度なチャット設定、ノートブック分析などのプレミアム機能を利用できる。

NotebookLM Plusは、企業、教育機関向けにGoogle Workspace経由で提供される。一般ユーザー向けには、2025年初頭にGoogle One AI Premiumを通じて提供が開始される予定である。