中堅・大手向けECサイト構築でトップクラスの実績を持つecbeing(イーシービーイング)は12月12日、アプリプラットフォーム「MGRe(メグリ)」を提供するメグリと資本業務提携したと発表した。カスタマイズ対応可能な「MGRe」との連携を強化することで、中堅・大手向けのアプリ開発を強化し、企業のオムニチャネル環境の構築をより強力に推進する考えだ。
コロナ禍ではオンラインでの消費行動が急速に普及したことにより、消費者は自宅から簡単に商品を購入する人が増えた。そしてコロナ禍の収束とともに、消費者はオフラインでの購買を再開し、両方のチャネルを利用するようになった。このような状況下で、オンラインとオフラインの購買体験をシームレスに統合するオムニチャネル戦略の重要性が増しているという。
消費者が両チャネルを利用する際にはポイントの利用の制限、顧客情報の分断により一貫したサービスが受けられない、オンラインとオフラインの情報が分断されていて情報収集が手間になるなど様々な障壁が生まれている。これらの障壁を解決するため、ecbeingはアプリプラットフォーム「MGRe」を提供するメグリと資本業務提携を行い、アプリ開発の強化を図る。
▲両社のサービス連携のイメージ
「MGRe」はすべての契約企業が共通利用するSaaS領域と個社別にコードが実装できるカスタマイズ領域が共存するハイブリッドSaaS。そのため、SaaSの安定性とカスタマイズによる拡張性を両立している。オンラインとオフラインの窓口となるアプリを通じての顧客体験向上を実現するために、高度な機能開発が可能なメグリ社と連携を強化する。
<ecbeing とMGReの構想>
今回、ecbeingとメグリ社が資本業務提携することで、MGReで構築するアプリを通じてECサイトと店舗の連携をより強化していく。アプリがECサイトと店舗それぞれの機能や情報を集約する窓口となり、あらゆる顧客接点の統合を目指す。
ecbeingが自社開発してきたオプションサービス「マイクロサービス」とも掛け合わせることにより相乗効果を高めることが見込めるという。オンラインとオンラインの顧客情報を一元化できる予約管理システム「RESOMO(リソモ)」や複数チャネルのデータを集約し分析できるデータマーケティングプラットフォーム「Sechstant(ゼクスタント)」などをアプリと連携することにより、顧客はスムーズにECサイトと店舗を回遊でき、事業者もアプリを含め各チャネルでの顧客行動に合わせたマーケティングが可能になるなど、様々な可能性が考えらる。このような連携も視野に入れ、オムニチャネルの強化を目指す。
メグリ 代表取締役 田代健太郎氏は、「会員情報の一元化、店舗、EC のシームレスな連携といった、オムニチャネルの基本機能の提供ハードルがさらに下がります。しかし、今回の提携で目指すのはその先にある、各企業、各ブランドが追求する独自性の高い顧客体験づくりの推進です。我々生活者のお買い物体験の進化につながるよう引き続き精進してまいります」と話す。
ecbeing 代表取締役社長 林雅也氏は、「オンラインとオフラインを統合した顧客体験をさらに向上させ、顧客ロイヤリティを高めるには、各社の強みを生かしたECとシームレスなアプリの活用が重要です。メグリ株式会社とともに、よりパーソナライズされた顧客接点の構築や、チャネルを横断した顧客理解の深化を支援するため、ソリューションの強化に取り組むとともに、各社のニーズに応じて拡張可能なアプリを提供していきます」とコメントした。