LINEヤフーは12月5日、「Yahoo!(ヤフー)ふるさと納税」の提供を開始した。従来の仕組みから変更し、返礼品の申し込みから税金の控除申請までの全ての手続きを「Yahoo!(ヤフー)ショッピング」内で完結できる。新規利用者の獲得を狙い、将来的には「ヤフーショッピング」経由のふるさと納税の寄付額を現状の2倍に拡大したい考えだ。
LINEヤフーは2019年、「ヤフーショッピング」において、ふるさと納税ポータルサイトの運営を開始した。ふるさと納税の需要拡大や返礼品の掲載商品数の増加、プロモーションの強化などにより、2023年度の寄附額は2020年度と比較して約9倍に拡大したという。
全国的にも寄附額が伸長している一方で、2023年度の住民税付与者のうち、ふるさと納税の利用者は約6人に1人に留まっており、「ヤフーショッピング」の利用者の中でもふるさと納税を利用したことのないユーザーは多くいるという。
従来のふるさと納税の申請では、ユーザーは「ヤフーショッピング」で寄附を申し込んだ後、連携するふるさと納税サイトで決済と控除手続きを申請する必要があった。
今回、「ヤフーショッピング」内で手続きを全て完結できるようにしたことで、「ふるさと納税を始めようとする人を獲得していきたい」(コマースカンパニーショッピング統括本部 プロダクション3部・大江寿登氏)と話す。
「ヤフーショッピング」でのふるさと納税の寄附は、「ヤフーショッピング」のGMV(流通額)に含まれる。今回、「ヤフーふるさと納税」の開始により、さらなるGMVの増加につながる見通しだ。
<ポイント配布禁止の影響>
総務省は2025年10月から、ふるさと納税の基準を見直し、寄附に伴うポイントの付与を禁止とする予定だ。「ヤフーふるさと納税」も対象となるが、「2025年10月以降は”体験”を軸にふるさと納税利用者の増加を目指す。お礼品の申し込みから控除までワンストップでできる仕組みを磨いていく。もちろんお礼品の数も増やしていく」(同)と説明する。
サービスの認知拡大方法として、現在「ヤフーショッピング」で初めてふるさと納税を実施したユーザーに、プラス10%の「PayPayポイント」を付与する「ふるさと納税デビュー応援キャンペーン」を実施している。
「今後は当社ではグループも含めてさまざまなタッチポイントがある。そこも含めてまだふるさと納税を実施していない人も多くいると思っており、グループ力を生かしてコミュニケーションを取って、利用者獲得を目指していく」(同)と話す。