宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H3ロケット5号機による準天頂衛星システム「みちびき」6号機の打上げ日を2025年2月1日に決定した。打上げの予定時間帯は17時30分~19時30分で、予備期間は2月2日~3月31日。種子島宇宙センター 大型ロケット発射場から打上げる。

  • 準天頂衛星システム「みちびき」6号機の打上げ日を2025年2月1日に決定

みちびき6号機(QZS-6)は、日本独自の高精度衛星測位サービス実現に向けた「準天頂衛星システム」を構成する人工衛星のひとつ。現在のみちびきシリーズ4機体制(初号機後継機、2〜4号機)に3機(5〜7号機)を加え、みちびきのみで測位を実現する7機体制へと増強するための最初の1機目で、準天頂軌道ではなく静止軌道へ投入される予定だ。

5~7号機には、JAXAが開発した「高精度測位システム」を搭載し、実証するミッションを課されているのが、現行4機との大きな違い。衛星同士で測距信号をやりとりする「衛星間測距機能」と、地上局との間で測距信号を交わす「衛星/地上間測距機能」を新たに加わえたことで、ユーザーがより正確に測位できる仕組みを実現する。また細かいところでは、6号機には日米協力の一環として、宇宙状況把握能力を向上させるための米国製センサも載せている。

みちびき6号機の打上げには、「H3-22S」形態(LE-9エンジン2基、SRB-3 2本、ショートフェアリング)のH3ロケット5号機を使用する。

H3ロケット5号機は打上げ後、約1分56秒後に固体ロケットブースタを、約3分45秒後に衛星フェアリングを分離し、約5分00秒後には第1段主エンジンの燃焼を停止、約5分8秒後に第1段を分離。第2段エンジンの1回目の燃焼は約5分21秒後に開始し、約12分50秒後に燃焼を停止して慣性飛行を行い、2回目の燃焼を約24分19秒後に開始、約28分44秒後に燃焼を停止。約29分4秒後にみちびき6号機を分離する。

  • H3ロケット5号機(H3-22S形態)

なおJAXAでは、H3ロケット5号機によるみちびき6号機の打上げ日時決定にあわせて、11月26日にイプシロンSロケットの第2段モータ(E-21)再地上燃焼試験で起きた燃焼異常・爆発事故のH3ロケットへの影響を評価。H3ロケットのフライトで使うSRB-3には、懸念事項はないと判断したとしている。

H3ロケット用のSRB-3は、E-21とモータ設計が異なるものの同じ固体モータであり、イグブースタと材料の一部に共通点もある。JAXAでは、これまでの地上燃焼試験などの開発結果と、4号機までの飛行結果を再評価した結果として、SRB-3の設計がいずれも良好に検証されていることを改めて確認したと説明。H3ロケット5号機用に製造したSRB-3の検査データに、特異なものがないことも再確認したという。