米OpenAIは12月10日(現地時間)、ChatGPTの「Canvas」をメインモデルに統合し、Pythonコードの実行機能やGPT対応の追加を発表した。また、これまで有料プラン契約者に制限されていたCanvasの提供が無料ユーザーにも拡大された。

Canvasは、文章作成やコーディングにおいて、ChatGPTとの共同作業を効率化する機能である。たとえば、ユーザーが子ども向けのクリスマスストーリーを作成する際、Canvasを使用することで、サイドバイサイドの編集画面を通じて物語を執筆しながらChatGPTの提案を受け、即座に修正を反映させることが可能となる。この機能により、チャットとは別に生成コンテンツ専用のワークスペースが設けられ、編集や修正作業がより簡便になる。

従来、Canvasを利用するには「GPT-4 with Canvas(ベータ版)」を選択する必要があったが、今回の統合により、 GPT-4使用時を含むさまざまな場面において、よりシームレスなユーザー体験でCanvasを利用できるようになった。たとえば、長いテキストをコンポーザーボックス(プロンプト入力ボックス)に貼り付けた際に、右上に「Open in Canvas(キャンバスで開きます)」ボタンが表示され、それをクリックするとCanvasでコンテンツが開く。

新たに、ChatGPTのコンポーザーボックスに、「Canvas」、「ChatGPT Search」(Web検索)、「DALL-E」(画像生成)といった機能にアクセスするためのツール・ボタンが追加された。テキスト/コード/ドキュメントをコンポーザーボックスに入れて、ツールボタンからCanvasを選択するとCanvasが用いられる。また、対話中にChatGPTに共同作業を依頼したり、ChatGPTがCanvasが適切だと判断した場合にも自動的にCanvasが開く。

Canvas内でPythonコードを実行できるようになり、ユーザーはコードの出力を直接確認し、ChatGPTの支援を受けてデバッグや修正を行える。これまでは、ChatGPTで生成または編集したコードが動作するかどうかを自分の環境で実行して確認する必要があったが、新たに導入されたWebAssembly Pythonエミュレータにより、Pythonライブラリが迅速にロードされ、ユーザーは実行結果を即座に確認し、ChatGPTとの共同作業をスムーズに進められる。

カスタムGPTでもCanvasを利用できるようになり、ユーザーは特定のニーズに合わせて調整されたChatGPT体験を作成できる。Canvasの新機能の発表動画では、サンタクロースのGPTを作成し、子供のウィッシュリストの写真をChatGPTに貼り付けて、サンタクロースGPTに「サンタからの手紙」の草案を作成させるデモが紹介された。手紙の内容がCanvas上に表示され、サンタクロースらしい文体やユーモアを維持しつつ、ユーザーが必要に応じて編集や修正を加えることが可能である様子が示された。効率的かつ直感的に進められるプロセスで、特定のスタイルやニュアンスを反映した結果を容易に得られる。