STマイクロエレクトロニクスは、車載モータ駆動回路を検出抵抗を使わずに構築できる8チャネル・ゲート・ドライバ「L99MH98」を発表した。

同製品は、4個の外部フルブリッジや、8個のハーフブリッジ、または1個のハイサイド/ローサイド駆動機構(座席位置調節、ウインドウやサンルーフの開閉、ポンプ、シートベルトのプリテンショナーなどのアクチュエータ)の駆動を可能とするゲートドライバで、ヒータなどの抵抗負荷の駆動も可能で、内部回路に搭載したチャージポンプ回路の出力でバッテリ逆接続保護用のMOSFETを制御することができる。

また、ロジックレベルと標準レベルの両方のMOSFETを駆動でき、ゲート電流の設定を最大120mAまで増やせる機能により、複数の外付けMOSFETを駆動できるほか、3つのステップでゲート信号を駆動する3段階ゲート制御により、電磁放射を最小限に抑えることも可能だという。

さらに、各MOSFETのドレイン・ソース間電圧(VDS)をADコンバータ(ADC)に入力するように設計されているため、間接的に電流を測定することにより、検出抵抗を不要にすることができ、検出される温度から予想されるオン抵抗と、測定されたVDSを組み合わせることで、各MOSFETのドレイン電流を算出。このシステムでは、各MOSFETの抵抗-温度曲線から予想される定格オン抵抗値を定めるために製造ラインでの校正が推奨されるという。加えて、設定可能なマルチフェールセーフ機能により、障害が起きた時に影響のないブリッジが正常な動作を継続できるようにするため、各ブリッジをオフにし、障害から保護することによって信頼性を高めることができるほか、電源の過電圧、ハイサイド過電圧 / 過少電圧、温度異常警告、チャージ・ポンプ故障、VDSモニタリング・エラーといった障害を検知し、障害の種類に応じて、診断、ウォッチドッグ、チャージポンプなどの機能を選択してオフにすることができるともしている。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら