ロームは12月10日、TSMCと車載GaNパワーデバイスの開発と量産に関する戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。
GaNパワーデバイスはスマートフォン(スマホ)などのUSB PD充電器やサーバ電源などといった民生分野や産業機器などで活用されているが、TSMCでは現在、電気自動車(EV)のオンボードチャージャやインバータなどといった車載用とに向けた研究開発を推進しており、今回のパートナーシップでは、ロームが有するGaNパワーデバイスの開発技術と、TSMCのGaN-on-Siliconプロセス技術を組み合わせることで、高電圧・高周波特性の優れた車載パワーデバイスに対する需要の高まりに応えることを目指すという。
なお、両社は2023年より、ロームがTSMCの650V GaN HEMTプロセスを採用した製品を自社が提供するEcoGaNシリーズの一部として展開しており、すでにDelta Electronicsのブランド「Innergie」の45W ACアダプタ「C4 Duo」をはじめとして、民生品および産業機器での活用が進められており、今回のパートナーシップはそうした協業の範囲を拡大させるものであり、TSMCの半導体製造技術と、ロームのパワーデバイス設計技術を組み合わせることで、GaN技術の限界を押し広げ、EVへの実装を推進していくとしている。