ルネサス エレクトロニクスは12月10日、小型産業機器にUSB Power Delivery Extended Power Range(USB PD EPR)機能を搭載できるようにする、昇降圧バッテリチャージャIC「RAA489118」ならびにUSB Type-Cポートコントローラ「RAA489400」の発売を開始したことを発表した。
USB PD EPRは、従来のUSB PD SPR(Standard Power Range)で規定される最大供給電力100Wと比べて2倍以上となる240Wの電力供給を可能とする次世代規格で、産業機器などでもACアダプタを活用せずとも、短時間での充電を可能とすることが期待されている。RAA489118は、2~7セルの直列バッテリに対応するバッテリチャージャでありつつ、30Vの入出力に対応するボルテージレギュレータとしても機能することが可能。同社独自の特許技術である「R3(Robust Ripple Regulator)技術」を採用することで、固定周波数とヒステリシス型パルス幅変調(PWM)技術の利点を組み合わせることで、動作中の無音性が実現され、高速な動的応答と優れた軽負荷効率が得られ、バッテリ寿命の向上を図ることが可能になるという。
また、電動工具、家庭用電化製品、小型産業機器で広く使用されているSMBusインタフェースを搭載していることから、バックブースト機能や双方向性機能を制御できるため、USB Type-CポートコントローラであるRAA489400やその他のコンポーネントとシームレスに連携できるようになるほか、入出力電圧レベルは、主流の太陽光発電システムの電圧レベルに対応しているため、ソーラー式ポータブル電源ステーションなどとも接続することが可能だという。