コーセーは、ファンデーションや日焼け止めなど粉体入りのリキッド製剤の開発に必要な、適切な分散剤を予測する方法「効果球」を開発したと12月6日に発表。これにより、“均一性が高く、化粧むらになりにくい”、“同じ配合量でも紫外線防御効果をより発揮できる”といった製剤を、機能的かつ効率的に開発できるようになるという。
粉体の分散性は、リキッドファンデーションや日焼け止めといった商品の発色や紫外線防御、使い心地に大きく影響する要素。製剤開発においては、粉体・溶媒・分散剤の3成分をバランス良く配合する必要がある。
しかし、ある粉体に対してどの分散剤が良いのか、どの溶媒を組み合わせるのかという課題に、体系的に答えられる手法は確立されておらず、個々の化粧品開発者の経験に依存してきたという。そこでコーセーは、物質同士の化学的な親和性を評価できる「ハンセンの溶解度パラメータ」に着目。粉体・溶媒・分散剤の選択を体系化する手法の開発に取り組んだ。
ハンセンの溶解度パラメータは、それぞれの物質が持つ、寄り集まろうとする力(凝集エネルギー)を、分散項・極性項・水素結合項という3種類の化学的な性質によって数値化したもの。この各項を軸とした三次元空間における、物質同士の点の距離Raを比較することで、どの物質同士が溶けやすいかという親和性を推測できるとのこと。