米OpenAIは12月5日(現地時間)、「ChatGPT」の新サービスプラン「ChatGPT Pro」を発表した。契約者は、ChatGPT Plusで提供されているAIモデル(GPT-4o、OpenAI o1/o1-mini、Advanced Voice)に加えて、「o1-pro」というProユーザー専用のo1バージョンを利用できる。料金は月額200ドルである。また、9月にプレビュー版がリリースされたOpenAI o1の正式版も発表された。

OpenAI o1モデルファミリーは、洗練された推論、コーディング、数学的機能を使用して現実世界の課題に取り組むことを目的に、複雑な推論を行うための強化学習で訓練されている。学習データからパターンを模倣するGPT-4oまでのモデルと異なり、自ら「思考の連鎖(Chain-of-Thought)」を使ってクエリを処理する。

o1の初期モデルである「o1-preview」は、AIME 2024(計算能力を総合的に評価)で83.3%の成功率を記録し、GPT-4oの13.4%を大きく上回った。正式版のo1は、o1-previewと比較して信頼性が大幅に向上しており、o1-proではさらに多くのコンピューティング資源を活用して、深い推論と高い信頼性の応答を提供する。データサイエンス、プログラミング、判例分析などの分野において、正確かつ包括的な回答生成が可能である。

以下は、o1-preview、o1、o1-proに「AIME 2024」、「Codeforces」(競技プログラミング)、「GPQA Diamond」(PhDレベルのサイエンス問題)を解かせた結果である。

下は、4回の試行で4回とも正解した場合のみ成功とする、より厳格な評価設定での成功率である。o1との比較で、o1-proの失敗の増加が少なく、その強みである信頼性の高さがうかがえる。

o1-proは、ChatGPTのモデルピッカーから選択して使用する。信頼性向上の代償として回答生成に時間を要するため、ChatGPTは進行状況バーを表示する。ユーザーは処理中に別の会話を進められ、o1-proの生成作業が完了したらアプリ通知が表示される。

一方、o1-previewから性能が向上したo1は、推論の簡潔化に調整が加えられ、信頼性を維持しつつ応答時間の短縮を実現している。また、アップロード画像に対する推論機能が追加された。

ChatGPT Pro導入後も、ChatGPT Plusはこれまでと同じ月額20ドルで提供される。Plusユーザーは、o1とo1-miniへのアクセスが制限付きとなる。