ジェイテクトは12月5日、同社グループ会社のジェイテクトサーモシステムが、SiCパワー半導体特有の熱処理工程であるコンタクトアニールおよび活性化アニール向け熱処理装置の2機種を開発したことを発表した。

同社は、これまでも真空状態やN2雰囲気下でのウェハ搬送が可能なコンタクトアニールシステム「RLA-4100-V」および「RLA-3100-V」をSiCパワー半導体製造現場に提供してきたが、これらの熱処理装置は枚葉式であり、スループットの向上が求められていたという。そうしたニーズを受けて新たに開発されたコンタクトアニールシステム「RLA-4200-V」は、従来のRLA-4100-Vでは加工用プロセスチャンバが1台であったのに対して、2台に増設。2チャンバ化による熱処理性能の倍増に加え、搬送機構の見直しを図ることで、従来機比で生産性を2~2.4倍に向上させることに成功したという。また、本体設置面積についても、従来機を2台設置する場合と比べて24%削減できる省フットプリントを実現したとする。

一方の活性化アニールシステム「VF-5300HLP」は、複数枚のウェハをまとめて処理できる熱処理装置。これまでのバージョンでは、2023年に6インチ/8インチで1回あたりの熱処理枚数100枚を実現していたが、最新バージョンとして今回は、搬送系の見直しによる無駄時間を削減できる機構を新たに開発。これまではウェハの熱処理と、熱処理後の冷却や次ロットウェハの搬送などを時間を分けて実施していたところを、最新バージョンでは、これらの工程を並行して実施することを可能とすることで、ロスタイムの削減を可能とし、従来バージョン比で25%の生産性向上を実現したとする。また、この内部構造の改良は、装置内のスペースを有効活用する形で実現されており、本体設置面積は従来バージョンからの変更はないという。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら