電通デジタルは12月4日、日本を含む世界の主要13市場における企業のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)1,900名を対象にグローバル規模で調査した「CMO調査レポート2024:CX版」の日本語版を発表した。
同調査は、電通グループのエージェンシーブランドの一つであるMerkleが実施したもの。
電通グループが例年、世界の多様な業界や地域のステークホルダーが直面するビジネス環境への理解を深める一助となるべく、「CMO調査レポート」を作成手している。
ポイント(1)DXにおける企業の課題
AIなどの最新テクノロジーによりてDXへの大きな機会がもたらされている一方で、CMOは自社のデジタル推進力に対する不安を抱えており、64%がテクノロジーの最適化、コンタクトポイント全体のCX統合に課題を抱えていることが明らかとなった。
また、テクノロジーよりも組織的な制約に妨げられていることも判明し、70%以上のCMOが、「DXに対する全社的な目標と戦略の欠如」、「社内スキルや予算の不足」などを、変革を阻害する要因として挙げているという。
ポイント(2)CXの力による将来の差別化
89%と大多数のCMOが2025年のマーケティング予算の増額を見込んでおり、同社は、これによってAIのさらなる普及と、よりインパクトのあるCXの実現が期待されるとの見方を示している。
CMOは、こうした将来への投資がビジネスに与える効果を認識しており、約3人に2人(59%)が「将来の利益の半分以上は、まだ自社のポートフォリオにないプロダクトからもたらされる」と予想している。
ポイント(3)「パースペクティブ(洞察力のある)CMO」の登場
今回の調査結果では、今後5~10年後の生活について、生活者と一致した視点を持つ新しいタイプのグローバルCMOが登場することが予測されたという。未来への変革ビジョンについての質問をCMOと生活者に実施したところ、CMOの18%が生活者のビジョンと一致していることが明らかになった。
同社は、生活者インサイトへの理解を深めたDXビジョンを持つことで、CX向上に対して積極的かつ洞察力のあるCMOが誕生し、同業他社を上回るイノベーション、CX、ビジネス・トランスフォーメーションへの投資につながっていくとの分析を示している。