三井不動産、独自のオムニサービス・プラットフォーム開発 ECのUI/UX向上、アウトレット機能も実装予定

三井不動産は11月27日、独自のオムニサービス・プラットフォームの開発を完了し、稼働を開始すると発表した。これに伴い、自社ECモール「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」を刷新し、新たなオムニサービスの企画・開発を進めており、オムニチャネル戦略のさらなる推進を目指す。

三井不動産はこのほど、NTTデータ、チームラボ、伊藤忠テクノソリューションズシステムエグゼの受託・協力のもと、独自に開発したオムニサービス・プラットフォームの稼働を開始した。

▲オムニサービス・プラットフォームのイメージ

マイクロサービスアーキテクチャの採用により同時並行的なシステム開発が可能なうえ、各種APIを実装し、生成AIなどを活用したサードパーティ・サービスとの連携が容易になるなど、新サービス開発に向けた拡張性が大きく向上した。

ECの基本性能も強化し、ECフロント画面のUI/UXや商品レコメンド機能を刷新し、「探す」から「見つかる」ECサイトへと進化を図った。商品・在庫情報の登録・更新方法を改善し、ショップの出店・販売しやすさも向上した。

アウトレット専用EC機能を実装(サービス開始は2025年春予定)し、自社が運営するアウトレットモール「三井アウトレットパーク」の出店ブランド取扱い商品の販売、B品商品の取扱いやシークレットセールなど、アウトレットならではの購買体験を提供する。

三井不動産は、「三井ショッピングパーク ららぽーと」を始めとする商業施設とECそれぞれの強みをかけ合わせ、新たな購買体験を提供する「オムニチャネル戦略」推進のため、2017年11月に「三井ショッピングパーク」公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」をスタートした。

以来、「Mitsui Shopping Park &mall」注文商品の無料受取・返品を可能にする「&mall DESK(アンドモールデスク)」の全「ららぽーと」への導入や、骨格診断やコーディネート提案の各種サービスが受けられる体験型ショールーミング店舗「LaLaport CLOSET(ららぽーとクローゼット)」の開設など、さまざまなオムニサービスを推進してきた。

そのサービス創出スピードをさらに加速し、多様化する顧客の購買行動に応えるため、今回の新プラットフォームの開発に至ったとしている。このプラットフォームのもと、さまざまなパートナーとの連携を加速してオムニサービスをさらに拡充し、新たな購買体験の提供を目指す。

現在は、SUPER STUDIOとのパートナーシップのもと、新プラットフォームの拡張性を活かして、「ららぽーとクローゼット」 「館内まとめて試着・購入サービス」などのオムニサービスの進化・創出に取り組んでいる。

ECモール「Mitsui Shopping Park &mall」に出品されているファッションアイテムを集めたショールーミングストア「ららぽーとクローゼットの」ではDXを推進。これまで紙で手渡しとなっていた顧客の試着商品の情報や体験サービスにもとづくカラー診断、3D骨格診断の情報を、会員情報と紐付けてデータ管理・分析し、最適なタイミングとコミュニケーションチャネルで顧客にレコメンドすることで、「ららぽーと」や「Mitsui Shopping Park &mall」の販売商品の中から、「自分に似合うファッションアイテム」をさらに簡単に見つけることができる。

▲ららぽーとクローゼットの利用イメージ

「館内まとめて試着・購入サービス」では、商業施設の利用者から寄せられている「もっと楽に店舗間の買い回りをしたい」という声に応えるため、従来の買い物方法を見つめ直し、利用者が各店舗から商品を自由に持ち出して最後にまとめて比較・購入できる新たなサービスを検討する。さらに施設来館後にも、顧客の商品持ち出し・購入・返却履歴を分析し、よりパーソナライズした形で施設や「Mitsui Shopping Park &mall」の商品・キャンペーン情報の配信を目指す。

▲館内まとめて試着・購入サービスの利用イメージ

三井不動産は、今回新たに開発したプラットフォームのもと、現在企画・構想中のオムニサービスに加え、新たなサービスの創造によりスピードを上げて取り組んでいくため、小売ブランド・各種サービサー・システムベンダーなどの業種業界を超えて、海外企業やスタートアップまで、広くパートナー連携していく考えを示した。

さらにショッピング領域とスポーツ・エンターテインメント領域を融合させたサービスの創出にも取り組んでいくとしている。