全国各地から厳選したこだわりのコメや調理器具などのECを展開するAKOMEYA TOKYOは、AIを活用した不正検知サービス「Riskified」を導入して1年が経過した。AKOMEYA TOKYOのECサイトでは、「Riskified」の導入後、以前は1.2%だった、不正購入によるチャージバックの率を、0%にすることができたという。この実績は、1年たった現在も継続中だという。ギフトを購入したい真正ユーザーのECサイト内の振る舞いは、不正購入者の振る舞いと近いものがあり、判定が難しいとされている。そんな中、「Riskified」の導入により、不正購入者を自動検知することが可能になったとしている。
<ルール設定では不十分>
AKOMEYA TOKYOでは、コロナ禍のEC需要の拡大に伴い、ECサイトの利用が増加した。その一方で、不正に入手したクレジットカードの有効性を不正者が試す「クレジットカードマスターアタック」が、大量発生するようになったのだという。
当時は、ルールベースの不正検知サービスを導入していたが、チャージバックが多発。不正を抑制できない状態が続いていたのだそうだ。
さらに、不正ではない注文も「不正」と誤認識され、正当な注文の承認率が下がるという課題もあったとしている。
そこでAKOMEYA TOKYOは2023年11月、不正検知の精度を高めることができ、オーソリ承認率の改善も期待できる「Riskified」を導入することにしたという。
<オーソリ承認率11%増>
ギフトとして商品を購入することが多い、AKOMEYA TOKYOのECサイトの顧客の行動パターンは、不正購入者との判別が難しかったという。ギフト商品を購入するユーザーは、個別に複数商品を購入したり、複数商品を別々の配送先に送付したりするケースも多い。こうした行動パターンは、不正ユーザーと似ているのだという。ECサイト上での、商品選択や購入のスピードについても、不正者がアクセスした場合と似ていて、見分けがつきにくいそうだ。
「Riskified」は、最先端技術とAIを駆使して不正な注文を検知する、機会学習型の不正検知サービスだ。AIに頼るだけではなく、数百人規模のデータアナリストやサイエンティストが、不正傾向を監視・分析している。AIモデルを常に最適化しているのも特徴だという。
同サービスでは、ユーザーのECサイト上の振る舞いなど、約400種類の独自の基準を基に、真正ユーザーか不正ユーザーかをリアルタイムで判定するという。本人認証などのフリクション(ユーザーが感じる面倒くささ)をなくし、顧客の購入体験を改善しているという。
AKOMEYA TOKYOのECサイト上では、同サービスを使って、ギフトユーザーと不正者を自動判定している。こうした判別は、ルールベースの不正検知システムではしにくかったという。
不正を抑止するだけでない。真正な注文を通す割合も、導入前比で改善したという。不正管理とコンバージョンの最大化の二つに対応できるようになったとしている。
加えて、導入前に比べて、カード会社のオーソリ承認率が11.6%改善した。不正検知サービスが、ECサイトの売り上げ向上にも貢献したとしている。
・Riskifiedのサービスサイトはこちら
https://www.riskified.com/