Space BD、有人宇宙システム、兼松、デジタルブラストの4社は、宇宙利用に関わる啓蒙活動や利用者支援、政策提言などを連携するための新たなコンソーシアム「SORAxIO」(ソラクシオ)を結成したと11月29日に発表。国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の運用業務の最適化で宇宙利用ハードルを下げ、次世代の宇宙利用の促進を図るとしている。
SORAxIOは、宇宙(SORA)を利用する機会を革新し、宇宙滞在や宇宙製造、エンタテインメントといった「宇宙利用によるイノベーション創出活動」の推進をめざす共同体として活動していく。
具体的には、地球低軌道(LEO)利用の活性化に向けてユーザーの拡大をめざし、主に国際宇宙ステーション(ISS)利用事業を推進してきた各社と連携して、宇宙環境を利用する規制や制度を調査し、政府に提言。
さらに2025年度以降、ISSの「きぼう」日本実験棟(Japanese Experiment Module:JEM)の利用インテグレーション業務を通じて知見を蓄積、共有し、「次世代宇宙ステーション時代に向けた経験の獲得をめざす」としている。なお、SORAxIOとは「Space Opportunities Revolution And Transfer to(=Xx) Innovative Outcomes」の略称とのこと。
Space BDは2017年の創業以来、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からISSのきぼうを利用する事業者選定を受け、ISSからの小型衛星放出で約50機の実績をもつ企業。ISS船内/船外利用において、アーティストや教育機関を含むさまざまな非宇宙事業者のエンタメ・マーケティングで宇宙商業利用も推進してきた。ISSは2030年に退役予定となっており、その役割は米国を中心に開発が進む民間宇宙ステーションが引き継ぐことになる。
Space BDによれば、初めて宇宙利用を検討する企業からは「宇宙実験をするときに、どのような準備や費用が必要なのかがわからない」、「手順に関する情報を収集するだけでも時間がかかる」、「費用の全貌が分からず前払いが必要となるため、社内稟議が通せない」といった、“宇宙への参入障壁が高い”という声が寄せられているとのこと。
同社では日本の宇宙産業の発展に向けて、研究目的から商業利用を加速するための新たなルール作りや、ユーザーフレンドリーな利用ガイドラインの策定を通じた、宇宙利用を促進できる環境づくりの重要性を指摘。同様に宇宙事業を展開する3社と共にSORAxIOを立ち上げたとしている。