皆さん、こんにちは!
科学コミュニケーターの倉田祥徳です。

 

いま東北沖約200kmのところで大規模な海底掘削ミッション「JTRACK」が進んでいることをご存じでしょうか?

“千年に一度”ともいわれる巨大地震である東北地方太平洋沖地震から約13年。
この地震がどうして発生したのか、そのメカニズムの全容解明に研究が進められているのです。

 

未来館では「JTRACK」のことをもっと詳しく知るために、8月31日にトークイベント「みんなで深堀り! 東北沖『ちきゅう』ミッション~あなたの声が原動力に」を開催しました。ゲストスピーカーとしてお呼びしたのはJAMSTEC(海洋研究開発機構)の高知コア研究所所長の廣瀬丈洋さんとJAMSTECの研究プラットフォーム運用部門で研究支援の責任者(EPM: Expedition Project Manager)をされている奥津なつみさん。このブログではファシリテーターを務めた私が、当日の様子や時間の関係上お伝えできなかった内容を深堀りしていきます。

 

少し背景を説明しますと、このトークイベントは、8月1日から9月9日に行った期間限定企画Mirai can NOW第7弾「地震のほしをさぐる」の関連イベントとして実施したものです。

「地震のほしをさぐる」では、JTRACKの内容を紹介するとともに、来館者からJTRACKに関する質問や応援メッセージを受けつけました。トークイベントでは、ここで集まった質問をお二人にうかがいながら、JTRACKの内容や、JTRACKで使用する地球深部探査船「ちきゅう」について深堀りしていきました。

8月31日に実施したトークイベントの当日の様子。用意した席のほとんどが埋まるくらい多くの方にご参加いただきました。

“千年に一度”の巨大地震に残された謎に挑む

2011年3月、東北沖で発生した日本観測史上初マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震。
当時、私は高校2年生、宮城県仙台市のとある高校で部活動(サッカー部)に明け暮れた日々を送っていました。
14時46分、大学受験に向けて受けていた模試の解説を聞いていた最中でした。

「地震だ」

「大きいぞ! 宮城県沖地震だ」

当時、宮城県沖地震と呼ばれる大きな地震が発生する可能性が高いとされていました。
通っていた高校での震度は7、避難したくても一歩も動くことができない、経験したことがないほど大きな揺れでした。「家族は無事か」「建物は大丈夫なのか」と心の中で案じていると、流れてきたのは津波警報。全校生徒、職員、2000人近くが屋上に避難を言い渡されました。当時の携帯電話には、備え付けらえていたワンセグという機能でテレビを見ることができました。

「お前の地域、やばいぞ、津波がきているぞ」

「早くこっちきて見ろ!」

そんな言葉が行き交っていました。夕方ごろにやっと家族とも連絡がつながり、無事を確認することができましたが、家族と引き渡しで帰宅ができることになりましたが、結果的に家族と対面したのは午前3時ごろ。まだ帰宅できない生徒もたくさんいました。

いったいなぜ、こんなにも大きな地震が起こったのでしょうか。

東北地方太平洋沖地震のように津波を引き起こす大きな地震はどのようにして起きるのかを、期間限定企画Mirai can NOW第7弾「地震のほしをさぐる」では下のパネルを使って紹介しました。東北地方太平洋沖地震のように津波を引き起こす大きな地震のメカニズムを説明したものです。

地球にはまるでサッカーボールのように、いくつかのプレートがあります。
海側のプレートは陸側のプレートよりも密度が大きいため、海側のプレートが陸側のプレートに引き込まれます。その際に、“ひずみ”が溜まり、そのひずみが解放されるときに津波を引き起こすような地震が起こるのです。

2012年に行われた掘削調査「JFAST」を深堀り!

さて、ここからはトークイベントを振り返りながら、掘削調査の中身を解説していきます。

東北地方太平洋沖地震の翌年2012年に、JAMSTECは海底を掘り進めることで堆積物や岩石などを含む地質試料(コアサンプル)を直接採取することができる地球深部探査船「ちきゅう」で、震源域の迅速な掘削調査「JFAST」を行いました。この調査前に、東北地方太平洋沖地震では科学者が予想していなかったプレート境界の浅い場所が約50 mほど大きく滑ったことがわかっていました。

そこでJFASTでは、「なぜプレート境界の浅い場所が大きく滑ったのか?」を調べるために、プレート境界からサンプルを採取して、摩擦の性質を調べることでこの謎を解き明かそうとしました。

JFASTの内容を説明しているスライド。高知コア研究所所長の廣瀬丈洋さんの似顔絵入りです。実は元当館の科学コミュニケーターで、現在JAMSTECの広報としてご活躍中の中野さんが描いたとか!

サンプルを採取してくる場所までは、富士山2個分ほどの水深で海底を掘る必要があります。かなり大変です。
以前、未来館にて行われた乗船研究者によるギャラリートークで、乗船研究者の小平 秀一さんが、この難しさを「2階から目に目薬をいれるくらい難しい」と形容していました。

さて話を戻しますと、プレート境界からどんな岩石がとれたのでしょうか。

スメクタイトの写真。スメクタイトはファンデーションや錠剤などにも使われています。

採取されたのは「スメクタイト」という粘土状の鉱物ですが。このスメクタイト、実は“バナナの皮で滑る”のと同じくらい、滑りやすいことがわかったのです! この滑りやすさから、プレート境界が大きく滑らざるを得なかったといえます。

ちなみに、バナナの皮のすべりやすさの研究で、2014年に北里大学の馬渕清資名誉教授がイグ・ノーベル賞を受賞されています。学問はさまざまなところで“つながり”をもちますね! そして、未来館の5階の展示「ちりも積もれば世界をかえる」では、このコアのレプリカをご覧いただけます。

未来館の5階の展示「“ちり”も積もれば世界をかえる」の入り口近くにあるコアサンプル(レプリカ)

このようにJFASTは、巨大断層すべりの実態解明に決定的な成果をもたらしましたが、それと同時に、地震時に大きく滑ったプレート境界の浅い部分に、地震を引き起こすエネルギーである“ひずみ”が蓄えられていたのか? などさらなる疑問や謎が生まれてきました。

JFASTからうまれた、さらなる謎

その残された謎に挑むのが、海底掘削ミッション「JTRACK」です。JTRACKでは、地球深部探査船「ちきゅう」を用いて2024年9月からJFASTが調査した場所をもう一度訪れて、サンプル採取などを行ってきます。

東北地方太平洋沖地震から10年以上が経過をした今、あの巨大地震を引き起こしたプレートの境界はどうなっているのか?

次の項では、JTRACKではいったい何をしてくるのかを深掘りします。それにしても高知コア研究所所長の廣瀬さんのお話が面白すぎて、ときおり司会進行の仕事を忘れてしまうくらい話を聞き入ってしまいました……。

JTRACKの概要を説明したスライド。大きなすべりが発生したプレート境界浅部(JTCT-01A) と沈み込む太平洋プレート上(JTCT-02A) で掘削を行います。

JTRACKでのミッションをさらに深掘り!

ここで時系列を一度、整理したいと思います。

2011年、日本に甚大な被害を残した「東北地方太平洋沖地震」が発生し、その翌年の2012年に、巨大地震を引き起こしたプレート境界のサンプルを採取してきた「JFAST」が行われました。そして、それから10年以上経過した今、JFASTによって生まれたさらなる謎に立ち向かう「JTRACK」が行われています。

JTRACKが行われるまで道のり

JTRACKでは、どんなミッションを行うでしょうか。
地震が起こったプレート境界部からのコアサンプルの採取はもちろんのこと、2つの作業が行われます。

それが「LWD(掘削同時検層)」と「長期孔内温度計測システムの設置」です。

LWD(掘削同時検層)」は、ドリルの上部に様々なセンサーをとりつけ、掘削と同時にドリルによって掘り進められた孔の内壁にある物質の性質を調べることができます。

LWDの特徴を医療の検診にたとえると、こんなふうにいえます。

コアサンプルのように直接試料を採取する手法は、“外科手術”のようなもの。一方、LWDはCTスキャンや胃カメラなどの画像検診のような“間接的なアプローチ”といえます。コアサンプルの分析は時間を要しますが、LWDは“リアルタイム”で解析できることも最大のメリットといえます。

またJTRACKでは、LWDは取り付けられたセンサーによって、孔壁イメージ、自然ガンマ線、電気抵抗、音波速度などのデータが得られます。例えば、音波速度のデータによって、地層の固さを調べることができます。

「長期孔内温度計測システム」では、掘削時にドリルによって掘り進められた孔の内壁の温度の時間変化から、地震時に断層が滑ることによって発生する摩擦発熱温度を調べることができます。
JFASTでは、沈み込み帯地震に伴う断層摩擦熱を直接計測したのは世界初でした。
JTRACKでは、摩擦発熱の時間変化を再び計測するともに、2つの掘削孔の温度変化からプレート境界近傍の“水の動き”を捉えることを試みます。地震の発生には水が深く関与していることが知られており、その設置および分析が期待されます。

「LWD(掘削同時検層)」と「長期孔内温度計測システムの設置」に関するスライド

これらの調査からどんな結果がでるのかとても楽しみです。

さて次の項では、地球深部探査船「ちきゅう」での様子を深掘りしていきます。

地球深部探査船「ちきゅう」を深掘り!

JFAST、JTRACKで使用している地球深部探査船「ちきゅう」はどんな船なのでしょうか。

まず言えるのは、とにかく大きいことです! 長さは210 m、やぐらまでの高さは船底から130 mです。未来館の建物と比べると長さは約1.75倍、高さは約2.9倍。未来館もかなり大きいので、その巨大さがわかると思います! そしてこの「ちきゅう」は、海水面から約10,000m分(富士山約3個分)のドリルをおろすことができます。世界最高レベルの科学掘削能力をもつ掘削船なのです。ではドリルを下ろすのにはどのくらい時間がかかるのでしょうか。水深7,000 mまで下ろすには、順調にいっても1日半ほどかかるそうです。

掘削する作業は大変そうですが、雨が降るともっと大変? ということで、来館者からこんな質問もきていました。JAMSTECの研究プラットフォーム運用部門で研究支援の責任者(EPM: Expedition Project Manager)をされている奥津なつみさんに聞いてみます。

「地震のほしをさぐる」で寄せられた質問①

奥津さん:「EPMや研究者は、働く場所が主に室内(研究区画)なので、やることは変わりません。掘削チームは外作業も多く、台風の場合はさすがに作業を中断することもあります。それ以外の普通の雨の日の場合でしたら、やることは変わりません。例えば、作業する区画を布で覆うなど、天候に左右されずに作業を進めることができるように作業手順や作業環境を変えるなど、工夫しながらがんばっています。」

雨にも負けず、風にも負けずということですね!

 

では、「ちきゅう」によって得られた研究の成果を私たちはいつごろ知ることができるのか。こんな質問が来ていたので、奥津さんに聞いてみました!

「地震のほしをさぐる」で寄せられた質問②

奥津さん:「研究航海を通じて得られる情報(成果)は2つあります。

①オペレーションの成果(例えば、長期孔内温度計測システムの設置に成功しました!といった掘削作業に関する成果)

②研究の成果(例えば、サンプルを分析したらこんなことが分かった!といった研究成果)

です。

①オペレーションの成果は、今、どこまでオペレーションが進んでいるのか? などの状況をJAMSTECのX(旧Twitter)でほぼ毎日発信しています! ぜひチェックしてくださいね。

②研究成果の公表は、ただちにリアルタイムで! ということは少ないかもしれません。もともと、研究のためには、取得したデータやサンプルをまず分析し、その後、分析結果を考察、それをさらに論文に書き起こして……といくつかのステップがあります。そのため、研究成果は研究航海期間の最中ではなく、航海終了後に出てくることが主なのです。数ヶ月後、なかには数年後に出てくるような成果も少なくありません。成果の裏には研究者たちの粘り強い努力があるというわけです。」

今私たちがわかっている結果は、多くの関係者の粘り強い努力の結晶なのですね! これから明らかになる研究成果に期待しています!

 さて、イベントでは奥津さんの服装にも注目してみました。この赤い「つなぎ」は掘削エリアに立ち入るときに着用するそうです。

船上で使用するつなぎを着用していた奥津さん。掘削現場では泥などがとんでくる ことがあるとのこと

カッコイイつなぎを着てくれていた奥津さんは、研究支援の責任者(EPM)をされています。EPMっていったいどんなお仕事なのか、イベント内でも詳しく聞いてみました。

研究支援の責任者(EPM)の仕事内容を説明するスライド

掘削現場では、日々さまざまなドラマが繰り広げられています。
掘削作業を進める方々は、地層の固さや気象状況など、そのときどきの状況に応じて対応しています。
一方で、研究者の方々は掘削の成果に期待を寄せながら「こんなコアサンプルがほしい」「こういうデータが必要だ」と、具体的かつ多岐にわたる要望を抱えていることがほとんどです。

そんな両者の間に立って、現場の状況と研究上の要望を調整するのがEPMです 。この存在がいないと、現場が混乱してしまう可能性もあるとのこと。このように研究をする人と掘削する人の“橋渡し”が主な仕事であると語ってくれましたが、聞いているだけでも大変そうな仕事だと感じました。

このブログのために、イベント中にはお聞きすることができなかったEPMについての質問を奥津さんに聞いてきました。

「地震のほしをさぐる」で寄せられた質問③

奥津さん:「物事を考えたり何か言ったりする際は、必ず相手の目線に立つこと、特に「自分にとっての当たり前は相手にとっての当たり前ではない」ということを心に置いて会話しています。「ちきゅう」には国内だけでなく海外からも、学生からベテラン研究者まで幅広い文化や背景をもった研究者が乗船してきます。例えば、私にとっては一見当たり前と思うようなことも、航海に不慣れな人にとっては全てが初めてのことです。雰囲気で察してね、ではなく、どんなことも必ず言葉にして伝えるように心がけています。あとは、どんなときも自分の仕事を楽しむこと!船上では多忙な日々が続く時もありますが、人生の中でなかなか経験できないことに今直面しているのかも!?と思い、楽しむようにしています。」

奥津さんの素敵な人柄がわかるご回答でした!

また私もJTRACKのアウトリーチオフィサー(多くの方にJTRACK活動を知ってもらう仕事)に採択され、12月3日から「ちきゅう」に乗船してくる予定です。また奥津さんにもお世話になります!

次は、廣瀬さんに地震研究の最前線を聞いてみました。

地震研究の最前線を深掘り!

「モノはくっついているとだんだん動かしづらくなる」。

今回、廣瀬さんから教えていただいた地震研究のポイントです。

専門的には「モノは接触していると“固着”がすすむ」と表現します。廣瀬さんは「絨毯の上に机が10年も置いてあると、絨毯がめりこみますね。それを“固着”といいます」とおっしゃっていました。たとえ話がわかりやすいですね!

では、このモノがくっつく(固着する)現象と地震とは、どんな関係があるのでしょうか。
その際に大切になるのは、「摩擦」と「バネ」の性質です。次の図で説明します。

地震は固着部分の「摩擦」とプレートの「バネ」の性質が大きく関わる。

海洋プレートが大陸プレートにくっつき、“固着”します。この固着している場所に、もし「摩擦」がうまれなかったら、プレートはつるつるとすすみ、地震のエネルギーである“ひずみ”をためることができません。

一方、プレートは固い石でできているのですが、石は実は「バネ」の性質をもちます。石がバネ?と思った方もいらっしゃるかと思います。
石もバネと同様に、ギューと圧力を加えると縮まり、そのとき加えていた力を解放するとパンッと戻ります。
逆も然りであり、力を加えて石を伸ばしたあとに元に戻す際にも、石はバネのふるまいを見せます。

地震時にも同じことが起こっていると言えます。

海洋プレートが大陸側にひきずり込まれ、石であるプレートに力が加わり、“ひずみ”がうまれます。そして、このひずみが耐えきれなくなって、まるでバネが戻るように大陸プレートが跳ね上がり、地震が起こります。

もう少し詳しくみると次のようになります。

地震が起こる前、海洋プレートと大陸プレートが固着してくっついている部分があります。
海洋プレートが大陸側に引きずり込まれる際に、プレート境界周辺の一部が、バネのふるまいをし、その部分が伸びることでプレートにひずみが蓄積されます。その後、固着部分を引きはがそうとする力が上回ると、バネが急激に縮んでプレート境界が「シュンッ」と動きます。
これが地震です。


地震後は、プレート境界で固着が進み、それとともにひずみを解放したバネが再びひずみを蓄積していきます。このような固着とすべりが繰り返し起こる動きは“スティックスリップ”と呼ばれ、周期的に発生する地震のメカニズムであると考えられています。

障子を開けるときに引っかかるのをイメージしてください。
最初は動かしにくいですが、すべり出して動いたらまた引っかかってしまうということを繰り返すことがあります。これもスティックスリップです。

一方で、固着部分の摩擦が弱ければ、バネが伸びてひずみを蓄積することなく下の図のようにさらさらのテープの上を滑るようにとゆっくり滑ります。

つまり、固着部分の摩擦の強さによって全然違う地震が起こることがわかります!

東北地方太平洋沖地震で大きなすべりを起こしたプレートの境界浅部でも、このスティックスリップが起こっているのでしょうか?
2011年に一度、摩擦よりも大きな力が加わりバネが戻るように「シュンッ」と大きく動いた大陸プレートは、どれだけ元の位置に戻っているのでしょうか。
言い換えれば、どれだけ固着が進んでいるのでしょうか。もし、固着が大きく進行していたら、またあのような巨大地震が起こるかもしれません。

そこで、JTRACKで掘削して得られたコアサンプルの摩擦の性質を調べたり、コアサンプルの中身をCTスキャンし、JFASTのときのコアサンプルや掘削時のドリルの掘りやすさと比べたりする予定です。

JTRACKで得られるコアサンプルとJFASTで得られたコアサンプルと比較します

JTRACKでの成果が待ち遠しいですね!

そして、イベントでは時間の関係上とりあげられなかった質問を廣瀬さんにお聞きしてきました。地震研究をさらに深堀りしていきます!

「地震のほしをさぐる」で寄せられた質問④

廣瀬さん:「船上では、下の写真のような、掘削コア(柱状の地質試料)のために開発された専用の分析装置を使って、連続かつ非破壊で掘削コアの物理特性を調べたりします。

 

マルチセンサーコアロガー 

科学目的によっては、このような分析の前に、特別なコア保管機器や環境を準備する必要があります。例えば、メタンハイドレート(燃える氷)を含むコアの場合、ハイドレートが溶解するのを防ぐために、地下の温度や圧力条件を保持できる圧力容器を準備したり、微生物を研究するコアであれば、海底下の無酸素状態を船上の実験室で再現して、なるべく空気に触れないようにしたりします。」

 

他にもこんな質問がきていました!

「地震のほしをさぐる」で寄せられた質問⑤

廣瀬さん:「地球深部探査船「ちきゅう」の掘削研究航海は、多くの場合、これまで誰も掘削したことのない前人未踏の場所を掘削します。このような挑戦的な掘削航海では、常に新しい発見があります。個人的には、高温高圧の極限環境である暗黒の海底下でも、微生物が生息していたことに大きな衝撃を受けました。」

「ちきゅう」出航の門出を祝って!

トークイベントもついに終わりに差し掛かると……

今回のイベントで取り上げた「JTRACK」に向けて「ちきゅう」が出航するということで、その門出を祝って未来館からJTRACKの関係者に向けてサプライズプレゼントを用意しました! Mirai can NOW第7弾「地震のほしをさぐる」で集めた来館者からの応援メッセージです。こんなにもたくさんのメッセージをいただきました! まるで地層みたいですね。

メッセージカード贈呈の様子

そして、このメッセージボードは東北沖へ調査航海に向かった「ちきゅう」内に飾っていただきました!

「ちきゅう」船内にメッセージカードを飾ってくれました!

このトークイベントは、100名にもせまる参加者のみなさんとともにつくりあげることができました。当日ご参加頂けなかった方も下記よりアーカイブ動画をご覧いただけます。

そして私は、12月3日から地球深部探査船「ちきゅう」に乗船し、JTRACKのアウトリーチオフィサーとして、「ちきゅう」の船上で何が行われているのか、未来館のSNSやイベント等でお伝えする予定です! ぜひお楽しみに!

【参考】

Mirai can NOW 第7弾ブログ Vol.1 「地震のほしをさぐる」ってどんなイベント?~特設会場の様子をお届けします~
https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/20240829post-522.html

JAMSTEC 「JTRACK 日本海溝巨大地震・津波発生過程の時空間変化の追跡」について
 https://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/exp405/index.html

ちきゅう発見まだまだ知らない「ちきゅう」がある
https://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/magazine/graphic/no16/index.html



Author
執筆: 倉田 祥徳(日本科学未来館 科学コミュニケーター)
【担当業務】
アクティビティの企画全般に携わり、来館者への情報発信や対話活動を行う。これまで、地球科学の最前線を紹介する企画展(Mirai can NOW第7弾「地震のほしをさぐる」)やノーベル賞関連のイベント等を担当。東北沖の大規模な海底掘削ミッション「JTRACK」のアウトリーチオフィサーとしても活動中。

【プロフィル】
大学・大学院と化学を専攻し、「植物の毒」について研究してきました。その後、シンガポールの日本人学校の教員として働く中で「教科書にとらわれず、多くの人と科学の“楽しさ”を共有したい」そんな想いから、未来館へ。

【分野・キーワード】
有機化学・植物病理学・理科教育