【メール配信システム「CuenoteFC」好調の理由】ユミルリンク 渡邉弘一取締役「メール配信が顧客接点の有効な手段に」

阪急阪神ホールディングスグループで、メール配信システム「Cuenote(キューノート)FC」を提供するユミルリンクは、2023年12月期に続き、2024年1-9月期(第3四半期)も増収増益となり、業績が過去最高を更新している。業績好調の要因などについて、マーケティング本部 ゼネラルマネージャーの渡邉弘一取締役に聞いた。

 

──2024年1‐9月期(第3四半期)の業績も好調のようだ。

 

売上高は前年同期比15.9%増の19億8100万円、営業利益は同9.7%増の4億6900万円、第3四半期で過去最高を更新した。メールやSMSとともに2桁増収と好調だった。

ECのほか、情報通信業、電力・エネルギー、ヘルスケア関連事業業界団体、卸売・小売業、人材サービス、金融、コンビニエンスストア、チケットサービスなど多岐に渡って導入が増えた。

──2024年6月の「Gメール」のガイドライン変更に伴う影響については?

EC企業も含めて対応に迫られたこともあり、当社に対する問い合わせも増えた。自社でメール配信を担っていた企業からの問い合わせが多く、ガイドラインの変更のタイミングでメール配信に切り替えたいという要望が多かった。

多くの企業では、ガイドラインの変更に伴う対応をしているが、一部の中小企業では未対応もあると聞く。もし対応しないと、重要なメールが到達しないか「迷惑メールのフォルダ」に入れられてしまう可能性もある。

──コスト負担を理由にした切り替えもある。

外資系のMA(マーケティング・オートメーション)ツールを使っている企業から、為替の影響もあり、値上げに対応するために当社に切り替えるケースもある。「キューノート」シリーズが「ライトなMAツール」という認識が広がりつつある。さまざまコストが上昇する中で、やりたい施策の実現と同時にコスト削減を実現したいという企業には支持をいただいている。

──他社サービスとの連携も強化している。

2023年に社内に「事業推進部」を立ち上げた。当社が展開するサービスと他社のサービスを連携して相乗効果を出そうという取り組みだ。すでにセールスフォース社の「Service Cloud」「Sales Cloud」、サイボウズ社の「kintone」と連携を発表している。

──「Cuenote Push」の提供を始めた。

「Cuenote Push」は、アプリが不要でプッシュ通知を行うことができるサービスで、企業側はユーザーのメールアドレスなどの情報を取得することなく、ユーザー側も会員登録せずに受け取ることができる。

潜在層などライトな層へのアプローチにも有効なウェブプッシュ通知は、サイトへの訪問や購買促進につなげることができ、メルマガやSNSとは異なる効果が得られる。

例えば、ECサイトのセール開始や終了前にプッシュ通知をすることで見逃されにくく、サイトへの来訪者増加を見込める。また、会員や非会員を分けた配信も可能にした。

──ECの動向については?

メール配信に加えて、LINEやブラウザプッシュなどさまざまツールを組み合わせてプロモーションすることで顧客接点を増やそうとする企業が目立っている。ファッションECでは特にレコメンド機能と連携した取り組みが成果につながっているようだ。

提携するサービスラインアップが増えた段階でAPIを共通化することでメッセージングプラットフォームとしての利便性を高めていきたい。

【「Cuenote(キューノート)FC」サービス概要】

「Cuenote(キューノート)FC」は、大量のメールを高速で確実に配信できるのが最大の特徴。メールの効果測定や会員管理、システム連携用のAPIなども提供し、メールマーケティングも可能。HTMLメール作成機能「HTMLエディター」や分析機能を標準で搭載し、ECサイトのかご落ちをメールで知らせる「カートリマインド機能」なども提供する。