パナソニック ホールディングス(HD)とPHP研究所は11月27日、創業者の松下幸之助氏を再現するAIを開発したと発表した。“経営の神様”と呼ばれた同氏の理念を次の世代に伝えるためのAIだという。
生前の著作物や講演・対談などの膨大な発言記録・音声データを読み込ませ、同氏の考え方や話し方を再現した。“AI松下幸之助”は、質問を受けると学習したデータをもとに、70代の頃の声で答える。画面に映る同氏の表情が変わったり、口元が動いたりする仕掛けもある。
両社は今後、松下幸之助氏から直接薫陶を受けた人物や松下幸之助研究者などの専門知識を取り込み、さまざまな状況や事例において活用できるか検討していく。「松下幸之助ならどう考えるのか」、「松下幸之助ならどのような経営判断を行うのか」など、より深い経営面での示唆を提供することのできる人物再現AIを目指すとのことだ。
パナソニックHDの社員は、「社会の発展への貢献」を実践する際、経営基本方針を拠り所としているという。その経営基本方針の基となる松下幸之助氏の経営理念を社員が正しく理解し、時代をこえて受け継いでいくことが重要であると同社は考えている。