統合コマースプラットフォーム「ecforce」を展開するSUPER STUDIOは11月27日、AIGATEが展開する犬のためのヘルスケアブランド「MOREMOTTO(モアモット)」のWebサイトにおいて、「ecforce」が導入されたとし、その事例を公開した。サンクスオファーの実装でアップセル率が200%、クロスセル率が180%増加し、 LTV125%向上を達成した。
SUPER STUDIOの提供する「ecforce」は、マーケティングからサプライチェーンまでコト、モノに関わる全ての人々の顧客体験を最大化する統合コマースプラットフォーム。オンラインとオフラインのデータを統合管理し、ECビジネスの最適化に留まることなく、モノづくりのビジネス全体を最適化することを目指している。
このほど、自社ECサイトにおいて、AIGATEが展開する「MOREMOTTO(モアモット)」における「ecforce」の導入事例を公開した。
AIGATEの「MOREMOTTO」は、犬のためのヘルスケアブランド。2022年に事業を開始し、現在は5名体制でブランドを運営している。特に小型犬~中型犬に向けた商品の企画から製造委託までのすべてを自社で手がけており、かゆみ・涙やけを軽減する「フムスキンウォーター」や、植物性乳酸菌と植物性DHAを配合したふりかけサプリ「フリコ」などを展開している。現在は、自社ECサイトを主軸に「Amazon」や「楽天市場」といった大手ECモールでも販売しているほか、ペットと一緒に泊まれるホテルのアメニティとして導入や、ホテルの売店でも販売されている。
▲犬のためのヘルスケアブランド「MOREMOTTO」のアイテム
AIGATEは従来、事業成長コンサルティングとオペレーション支援を主要事業としていたが、そのノウハウをブランド運営に活かし、自社D2Cブランドの立ち上げを視野に入れていた。犬用のヘルスケア商品は種類が少なく、個々の悩みにあった商品を入手することが難しいという課題に気付き、人と同じように犬に合う商品を選択できる社会を目指していきたいという思いから「MOREMOTTO」を立ち上げた。
「MOREMOTTOどうぶつ病院 青山院」も併設し、「MOREMOTTO」の会員限定でオンラインの無料相談も行っており、AIGATEには獣医師の資格を持つメンバーがいることから、医療知識のあるスタッフが飼い主の方の困りごとに真摯に対応している。獣医師の医療行為では解決できない課題や悩みを「MOREMOTTO」の商品で解決することを目指している。
「MOREMOTTO」では、ECサイトを立ち上げた2022年の初めから5月頃まで「ecforce」を導入していたが、ブランド立ち上げ初期だったことからシステムにかけられる予算が少なく、コスト削減を理由に別のカートシステムへ移行した。
移行後のカートシステムでは、EC/D2C業界のトレンドを取り入れるスピードが「ecforce」より遅く、施策を行う際に機能不足で実現できないことが多くあったという。世の中のマーケティング手法は日々変化していくため、機能開発に数カ月や半年かかるようでは施策のスピードが落ち、事業成長や売上に影響が出ると考え、再度「ecforce」の導入に至ったという。
AIGATE D2C部マネージャー 天野克哉氏は、「再び『ecforce』へ移行を図ったタイミングでは、売上も大きくなり顧客数も増えていたので、移行によるデータの欠損が不安でした。『ecforce』の担当者がサポートに入って、私たちの意向に沿って対応してくれたり、エンジニアの方に掛け合って移行前のカートシステムから必要なデータを『ecforce』に追加で移行してくれたりと、細かい対応を迅速かつ丁寧に対処してもらえました」と話す。
▲D2C部マネージャー 天野克哉氏
「ecforce」の再導入により、購入直後のサンクスページでアップセルやクロスセルを促すことが可能になった。「ecforce efo」も活用し、LPに設置しているチャットボットからもサンクスオファーを実装している。「LTVを向上させる上でアップセルやクロスセルは有効な手段のため、サンクスページからボタン1つでオファー商品を購入できる状態を実現できたのはとても大きい改善点だとし、実際に「ecforce」の再導入により、サンクスアップセルからのCVRは200%増加、サンクスクロスセルからのCVRは180%増加し、LTVは125%向上した。
以前のカートシステムでは、サンクスクロスセルで顧客が購入すると、元の受注と分かれて受注が作成される仕様だったが、「ecforce」では1つの受注にまとめて作成されるため、元々購入された商品とサンクスクロスセル商品の同時配送が可能となった。
その他にも、犬の情報を「ecforce」の「カスタム項目機能」を活用して収集し、誕生日にあわせてポストカードやグッズなどをプレゼントしている。現在は、公式LINEアカウントの運用を積極的に行っており、定期購入の情報確認だけでなく、オンライン相談サービスやLINE限定のキャンペーン・イベント情報なども発信。新規の顧客のうち40%~50%はLINEの友だち登録を行っている。
▲LTVやアップセル・クロスセルを通じたCVRが大幅改善
社内のメンバーからは、今まで時間がかかっていたオペレーションがかなり効率化できたという声が挙がっており、LPに設置するタグの管理がしやすく、広告URLやLPテンプレートの構造も整理されているため、煩雑な作業がなく簡単に設定できる。
AIGATE D2C部 増田湊介氏は、「定期購入の回数ごとに販売価格や送料、同梱物などの詳細を設定しやすいほか、受注の変更履歴から過去の操作内容を把握しやすく、カスタマーサポートやコールセンターの対応工数も削減することができました。こうしたオペレーションの改善により、空いた時間をコアな業務に割くことができるのは非常にありがたいです。また、『ecforce chat』の導入により、お客様自身で定期購入の情報を更新できるようになりました。これまでお届け日の変更やスキップ、解約といった操作はコールセンターでしか対応できませんでしたが、現在はマイページ画面のチャットから24時間365日対応することができます。その結果、受電数を600件近く減らすことができ、『ecforce chat』や電話などを含めた定期の解約抑止率を10%ほど改善させることができました」と話した。
▲D2C部 増田湊介氏
今後は、「ecforce chat」を活用しながら、医療的な質問にも細かい対応を可能にしたいとし、現在公式LINEアカウントで運用しているようなオンラインサービスなども、「ecforce chat」を用いてマイページ画面からの遷移を可能にしたいとの考えを示した。
▲「ecforce chat」の実装画面
「『ecforce efo』や『ecforce chat』の導入にあたっては、『ecforce』の担当者が設定方法や操作について細かく教えてくださり、どうすれば我々が望むことを実現できるのか、具体的にアドバイスしてもらえました。『SUPER STUDIO』では、自社でD2Cブランドの運営を行っているので、自分たちが試してみて『この施策が良かった』というナレッジを具体的に教えてもらえる点は心強いです。今後も『ecforce』の担当者さんと併走しながら、共にMOREMOTTOの事業を伸ばしていきたいです」と話した。