STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、産業用ビーコンや生活家電アラーム向けのIO-Linkリファレンス設計ボード「EVLIOL4LSV1」を発表した。
同ボードは、同社のデュアルチャネルIO-Linkトランシーバ「L6364Q」を通信用ととして、ローサイド・インテリジェント・パワースイッチ「IPS4260L」によるインジケータランプの駆動用途として搭載し、ファクトリオートメーション(FA)で使用されるスマート・タワー・ライトや、残量または緊急レベルを把握するための材料警報器などのシステム警告信号システムに直接接続することができるほか、2つのICを迅速にテストする方法を提供しているという(IO-LINKマスター用の4品のM12コネクタならびに5ピンのプログラミング用SWDコネクタを搭載)。
L6364Qトランシーバは完全に保護されており、標準化されたIO-Link通信速度(38.4kbit/sのCOM2、230.4kbit/sのCOM3を含む)をサポートし、シングルバイトモードおよびマルチバイトモードで動作するほか、シンプルなUARTインタフェースによりマイコンへのIO-Link通信の制御を割り当てられているトランスペアレントモードも使用可能だという。また、内蔵保護機能により、追加の保護素子なしで最大2.5kVpkサージパルス(500Ω結合)のEMC耐性を実現するという。一方のIPS4260Lローサイド・ドライバは負荷を駆動する4つの出力を持ち(別の1つは電源に接続)、各出力はマイコンのデジタル出力などの1つの信号からそれぞれ個別に制御される。動作電圧範囲は8V~50Vで、各出力の電流は0.5A~3.0Aの範囲で個別に設定可能。各チャネルには過負荷および過熱保護機能を内蔵しており、オープン負荷、過負荷、および過大温度の診断信号を出力し、システム制御を支援し、信頼性を高めることができるほか、同ボードには同社のTVS(過渡電圧抑制)ダイオード「SMBJ30CA」も搭載されており、電源での2Ω結合のサージパルスに耐えることができるという。マイコンとしては「STM32G071CB」が搭載され、同社独自のIO-Linkデモスタックとアプリケーションソフトウェアをホストするほか、システムの制御と診断を行い、トランシーバおよびローサイド・スイッチとの通信を担うとしている。