メルカリは11月22~24日、東京・原宿でサステナブル(持続可能)なファッションの楽しみ方を提案する「グリーンフライデー」のイベントを開催している。5回目の開催となる今回は、オンワード樫山やアダストリアなど11社が参加し、リユースやリペアを促進する企画などを実施する。
イベントは、大規模セールの「ブラックフライデー」に対抗する、サステナブルな消費を啓発する欧米発のムーブメント「グリーンフライデー」と合わせて実施する。東急プラザ原宿「ハラカド」にて、①開催初日限定の「新作ゼロのサステナブルファッションショー」②オンワード樫山やベイクルーズなどが衣類提供をする「物々交換ブース」③アップサイクルやリペアを体験できるイベント――などを実施している。
▲新作ゼロのサステナブルファッションショー
イベントの狙いについて、「安くてお得な『ブラックフライデー』は強いインパクトだが、サステナブルに対する注目も高まっている。ただ、リユースやリペアはまだ身近ではなく、労力がかかってしまう傾向にある。体験会とすることで、社会や個人の心にとってプラスであることを感じてもらいたい」(メルカリ 執行役員 河野秀治氏)と説明した。
▲メルカリ 執行役員 河野秀治氏
メルカリはモノの循環を促すマーケットプレイスで「捨てるをへらす」を実現している。メルカリの国内取り引きによって、国内で捨てられる衣類の約10%に当たる年間5万2000トンの廃棄を回避した。
▲「捨てるをへらす」を実現
<「社会普及は連携が大切」>
同イベントのパートナー企業であるオンワード樫山は、実店舗やECサイトを活用し、回収、検品、リセールまでを自社で取り組む「循環システム」を構築している。2023年度の自社衣料回収比率は9・2%となっているが、2030年度に20%まで引き上げたい考えだ。
▲「オンワード・リユースパーク」などで循環システムを構築
同イベントでは、ファッションショーや物々交換ブースの衣装提供などをしている。
▲オンワード樫山 サステナブル経営グループ サステナブル経営Div.長 山本卓司氏
参加理由について、「サステナブルファッションは自社でも注力しているが、社会全体での普及は1社だけではできない。こうして企業や行政と連携することが大切だと思う」(オンワード樫山 サステナブル経営グループ サステナブル経営Div.長 山本卓司氏)と説明した。
アダストリアは、ブランド内リメイク商品を販売するブランド「re:(アールイー)」を、会場の「ハラカド」の実店舗「HARE(ハレ)」内で展開する。同イベントではパートナー企業として、ファッションショーの衣装を提供した。
参加理由については、「新しい価値を提供する『re:』を通して、サステナブルなファッションに共感する人を増やしたい」(アダストリア HARE営業部 クリエイティブディレクター 宇治裕紀氏)と話した。
▲アダストリア HARE営業部 クリエイティブディレクター 宇治裕紀氏
同イベントに対して、環境省、経済産業省、消費者庁は「サーキュラーエコノミー(循環経済)の取り組みは、政府としても注力をしている」といった応援メッセージを届けた。
▲イベントの様子