NRIセキュアテクノロジーズ(NRIセキュア)は11月20日、宇宙産業に携わる企業向けに「宇宙産業サイバーセキュリティ支援サービス」を提供開始。人工衛星から地上設備まで、さまざまな宇宙システムのセキュリティ対策を包括的に支援する。

  • NRIセキュアが提供開始した、衛星や地上局など宇宙産業向けの「宇宙産業サイバーセキュリティ支援サービス」

人工衛星や宇宙ステーションなど、宇宙空間で使われるIoTデバイスをはじめとする「宇宙セグメント」と、それらのIoTデバイスを制御する衛星観測システムなどITシステムや、衛星通信モデムなどのIoTデバイス、工場の開発・製造システムなどを含む「地上セグメント」で構成される宇宙システムに対し、総合的なセキュリティ対策を提供。

宇宙セグメントと地上セグメントの両方に対応するセキュリティ支援をワンストップで提供することで、宇宙産業で活躍する企業のシステムやデバイスの安全性・信頼性の向上に寄与するとしている。

  • 宇宙産業サイバーセキュリティ支援サービスで対象となる支援範囲

さらにオプションサービスとして、両セグメントに対するコンサルティングだけでなく、デバイスやシステムのセキュリティ診断や脆弱性の監視・分析、セキュリティ研修など、多くのサービスを用いて包括的な支援を提供可能としている。

  • 宇宙産業サイバーセキュリティ支援サービスの周辺サービス例

新たな宇宙ベンチャー企業の設立や、異業種からの参入など、宇宙産業が急速に成長する一方で、宇宙関連企業や製品への攻撃事例が増加。経済産業省が策定した「民間宇宙システムにおけるサイバーセキュリティ対策ガイドラインVer 2.0」では、米国航空宇宙局(NASA)では2017年から2020年の4年間で、フィッシングやマルウェアといったサイバー攻撃を6,000件以上検知したことが報告されている。

宇宙産業は国家安全保障にもかかわることから、各国でセキュリティ法規やガイドラインづくりが進められている。NRIセキュアでは、「宇宙産業に携わる企業には高度なセキュリティ対策が要求されており、今後さらなる強化が求められていくと考えられる」と指摘している。