ジャパンディスプレイ(JDI)は11月20日、微生物増殖の様子を透過光で連続観察かつ高速解析できるシステム「SOLTIMO」を開発したことを発表した。
同システムは、大面積のTFT光センサで検体が塗抹された固形培地と呼ばれる試料の透過光を観測することで、リアルタイムで微生物の増殖の観察とデータ解析をすることができるモニタリングシステムで、微生物の増殖を観察する際の微生物培養装置(インキュベーター)から固形培地を取り出して観察するといった作業の手間を省くことが可能となる。また、リアルタイム観察により、一定の時間を待たなくても判定することも可能になるほか、測定結果分析の自動化による高効率化も実現できるという。
さらに、液晶をはじめとするフラットパネルディスプレイ(FPD)技術を応用することで、装置本体の小型薄型化を実現。これにより、一般的なサイズのインキュベーターに同時に10台以上のSOLTIMOを設置でき、研究開発の効率向上を図れるとともに、関連設備も効率よく活用することが可能になるとしており、例えば、SOLTIMOに菌種の早期推定やディスク拡散法による薬剤感受性試験の判定を自動的に行うことができる「薬剤感受性分析装置」としての機能を持たせることで、抗菌薬の使用によって耐性菌が生じるAMR問題の解決を図ることができるようになるとしている。