【EC物流特集2024<越境EC物流>】
越境EC物流代行サービス「セカイロジ」を提供するTokyo Otaku Mode(トーキョーオタクモード)は、越境EC需要の増加に伴い、物流事業が成長している。
今年末からはECサイト構築サービス「Shopify(ショッピファイ)」と試験的に連携を始めて「セカイロジ」のさらなる成長を目指す。
荷主が増えている要因について、「越境ECの初期フェーズで物流をどうしたらいいかと相談されるケースが目立つ」(セカイロジ事業部 坂入広和事業部長)と話す。
当初は雑貨やアニメグッズなどの取り扱いが中心だったが、最近はカバンやバッグなどを含むアパレル商材が増えてきているという。アパレルメーカーとの取引のおいては、当初、越境物流だけの取引だったが、サービスの信頼性に加え、国内外の発送を集約したほうがいいとの観点から、国内外で対応する形になったという。
さらに、取引先のアパレルメーカーの売り上げ構成比はこれまで国内販売が8割だったが、現在は国内と国外が半分となり、海外売り上げが伸びているのだという。「越境ECはどこでも手に入るアイテムから、特定の荷主でしか買えないアイテムが飛躍しやすい状況になっている」(同)と分析している。
単価別では高単価商材の流通が多くなっている。海外の配送費用を考慮して、万単位の高価格帯の商品が増えているとみている。
<軌道に乗せる支援>
越境EC市場はこれまでも注目されてきたが、伸び悩む事業者が多い現状もある。これに対し、坂入部長は「単なる物流企業から、越境事業を軌道に乗せるまでのサポートを全般的にやっていく必要がある」と話す。
実際にセカイロジ事業では、越境ECの導入やマーケティングに強みを持つ事業者と戦略的なパートナーシップを組んで、物流だけでなくサプライチェーンを包括的に支援した成功例が生まれており、さらなる提携先拡大も視野に入れていることを明らかにした。
<Shopify連携で加速>
セカイロジの稼働率が高まる中、自社物流拠点の拡張も進め、今年9月には再び増床した。
拠点拡大の次はマーケティング面の強化を進める予定で、今年12月には、ECサイト構築サービス「Shopify」との連携がスタートする。
当初は特定の荷主に限定して導入する予定だが、年明け以降にオープン化し本格稼働させる予定だ。「ショッピファイとの連携は大きな契機の一つ。拠点やコストなど、その細かい部分も変更していく可能性もある」(同)としている。
さらに、約2年前から「セカイロジ」の付加価値を向上させる新ソリューション「セカイサジェスト」を提供している(取材時点で特許申請中)。
▲「セカイサジェスト」の管理画面。コストやスピード重視などが選択できる
「セカイサジェスト」は、配送方法を選択する際に、要望に応じた配送方法が選べるソリューションで、それぞれの配送条件(仕向地・荷物の重量・サイズ・関税取扱など)に合わせて最適な配送方法と便種を出荷依頼時に提案できる機能となっている。
ソリューションの利用主も増えており、コストを事前に見える化できる点が利用が伸びている要因の一つだとしている。