みなさん、こんにちは! 科学コミュニケーターの片岡です。
突然ですが、未来館には「コ・スタジオ」という場所があります。ご存じですか?
コ・スタジオの「コ」は、ラテン語の「co=ともに何かをする」の意味です。コ・スタジオは、最新の科学トピックについて、科学コミュニケーター、ときには科学者たちとともにみんなで話し合い、考える場所。2016年の4月に未来館の常設展示場につくられました。
2023年までは5階にありましたが、新しい展示がつくられるのを機に引っ越しをして、数回場所を変えながら今も残っています。
2016年から2023年までは、現在の5階 常設展示「プラネタリークライシス」があるところにありました。そして、2024年2月くらいまでは、同じく5階 常設展示「地球環境とわたし」のとなりのスペースに移設していました。
そして現在は、3階 常設展示「Geo-Cosmos」という大きな地球の展示の反対側にあります。
場所はそれぞれ違いますが、コ・スタジオでは現在も変わらず、さまざまな人が集まって、科学トピックなどについて語り合う場として開かれています。
ところで、コ・スタジオには白色のベストを来た人がいますが、この人たちはいったい誰なのでしょうか?
私たちは、科学コミュニケーター
実は、このブログを書いている私もその一人です(笑)。コ・スタジオを含め、未来館でみなさんとお話をしたくてウズウズしている、私たちは「科学コミュニケーター」といいます。
もう少しかっこよくお仕事を紹介すると、科学技術とどのように付き合い、どのような未来をつくっていくのか、さまざまな人と対話を通して、みなさんと一緒に考えます。
未来館には、さまざまな科学コミュニケーターがいます。それぞれ、専門として勉強してきたことや、興味があることが違って、考えていることもまったく違います。
例えば、こんな感じ。
何人かの科学コミュニケーターに、興味のある分野や好きなことを聞いて、キーワードだけ抽出したものです。
「科学」「プラスチック」「感性」「土」「気象」「無線通信」「古脊椎動物学」「居場所」「海底地形」「土壌汚染」「分子生物学」「演劇」「記号創発」などなど……
みんなそれぞれの世界観、価値観を持っているようです。その分、さまざまな科学トピックを取り上げることができ、同じテーマでもそれぞれの科学コミュニケーター独自の視点で紹介することで、またちがう発見に出会うこともできます!
そんな科学コミュニケーターの豊かな個性を一気に、ご覧いただけるイベントがあります。
みんな集まれ! 科学コミュニケーター・トークリレー
コ・スタジオでは、科学コミュニケーターが科学トピックについて約15分間でお話しする「科学コミュニケータートーク」を定期的におこなっています。トークテーマは、先ほどご紹介したような科学コミュニケーターの得意分野や、最近話題のもの、未来をみすえて今から考えたいこと、など多種多様です。
現在、科学コミュニケータートークは通常1日に4回程度おこなっています。
そして、開館から閉館まで次々と、1日に約11本のトークを披露するイベントを実施することもあります! その名も「科学コミュニケーター・トークリレー」!
はじめての実施は、2023年8月29日・30日・31日。
2016年から2023年まで長く開き続けてきたコ・スタジオが一度幕を下ろすため、最後にみなさんと一緒にコ・スタジオを盛り上げるべく、実施しました。元素が大好きな科学コミュニケーターがお客さんと「好きな元素」について語り合ったり、天文分野や臓器のお話しなど、さまざまな話題が披露されました。
3日間で計33本のトークを実施し、夏休み最後の時期でしたが、多くの来館者のみなさんと一緒に楽しむことができました!
そして、2024年7月20日・21日に2回目を実施しました。
新しい場所でスタートしたコ・スタジオですが、3階展示場の奥に位置していて、なかなかみなさんに気が付いてもらえないことが悩みなんです…… そんなコ・スタジオを再び盛り上げるべく、実施しました!
今回は2日間で、計22本のトークを実施し、のべ約400人の方にご参加いただきました! 今年は新たに、節電に関するトークや本物のハープを使ったトークがつくられたり、DNAの抽出や爆発がおきる実験をするトークがおこなわれたり、2024年から未来館に来た新しい科学コミュニケーターのメンバーも交えて、去年に負けないほどの盛り上がりを見せました!
みんな集まれ! コ・スタジオ!いずれまた「科学コミュニケーター・トークリレー」を実施する予定ですので、その際にはぜひぜひ、お気に入りの科学トピックや気の合う科学コミュニケーターを見つけに、未来館にお越しください!
もちろん、科学コミュニケーター・トークリレーがなくとも、コ・スタジオは開館日であればいつでも開かれています。ぜひ、常設展示3階の入り口から右に曲がってずっと進んだところにある、窓からの光指す語り場コ・スタジオを、みなさん探しに来てください!!! まってます!
関連リンク
- 2023年実施 科学コミュニケーター・トークリレー(https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202308293075.html)
- 2024年実施 科学コミュニケーター・トークリレー(https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202407203541.html)
執筆: 片岡 万柚子(日本科学未来館 科学コミュニケーター)
【担当業務】
アクティビティの企画全般に携わり、来館者への情報発信や対話活動を行う。学校団体を対象とした企画やコンテンツの開発も担当。最近は、「対話」「生物」「自然環境」に関する活動や企画に取り組む。
【プロフィル】
大学で初めて土を基盤とした生態系のすごさ、そこで暮らす生き物たちの面白さを知り「こんな身近に全く知らない世界が広がっていたのか!」という感動から、土壌動物の世界にハマりました。当時の感動を、多くの人々にも伝えたいと思い、未来館へ。今は、その感動だけでなく、身近な自然の魅力を共有したり、楽しく学びを得られる仕組みを考えたりしています!ぜひ、一緒におもしろがりながら、身近な感動を発見しましょう!
【分野・キーワード】
土壌生物学、生態学、自然環境、生物