ソフトバンクグループ(SBG)が11月12日に発表した2024年上期(4~9月期)の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が1兆53億円の黒字だった。前年同期(1兆4087億円の赤字)から2兆4140億円改善した。上期の黒字は3年ぶり。ビジョン・ファンド(SVF)事業で投資するAI関連の新興企業の株価が改善したほか、保有する米Tモバイル株も利益を押し上げた。

SVF事業、累計投資損益が9四半期ぶりに黒字転換

売上高は前年同期比8%増の3兆4699億円で、税引前利益は1兆6510億円と前年同期(9074億円の赤字)から2兆3686億円改善し黒字に転じた。SVF事業の投資損益は6103億円の黒字と、前年同期(1811億円の黒字)に続き2年連続で黒字を維持した。また、同事業の第2四半期末時点での累計投資損益は1075億円で9四半期ぶりに黒字転換した。

  • ソフトバンクグループの2024年上半期(4~9月)の連結業績

    ソフトバンクグループの2024年上半期(4~9月)の連結業績

同日の決算会見で最高財務責任者(CFO)の後藤芳光氏は、「非常にいい数字で着地することができた。福岡ソフトバンクホークスは日本一を逃して負けたが、決算に関しては勝ちだと言える。特に約2年間注視してきたSVF事業の投資が順調だった。“勝ち"に“不思議な勝ち"はない」と語った。

  • ソフトバンクグループ 最高財務責任者(CFO) 後藤芳光氏

    ソフトバンクグループ 最高財務責任者(CFO) 後藤芳光氏

SVF事業で特に株価が上がった投資先は、EC事業を展開する韓国COUPANGや、配車サービスを展開する中国DiDi Globalなどだ。また、インド市場などで投資する企業の新規株式公開(IPO)も相次いだ。2024年7~9月の期間で、ベビー用品ECを運営するFirstCryと、電動二輪車を製造しグローバルに製品を提供するOla Electric Mobilityのインド企業2社がIPOを実現した。

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