クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」を提供するインターファクトリーは、2023年1月からEC事業の戦略から運用まで支援する「ebisu growth(エビス グロース)」を提供している。同社がPM(プロジェクトマネージャー)としてチャネルを超えたEC事業戦略を提案し、専門領域に強みを持つパートナーと共に課題を解決するサービスだ。開始から2年弱だが、「ebisu growth」の成長が顕著になってきた。取締役 ECビジネス成長支援事業責任者の三石祐輔氏に、サービスの好調要因や他社にはないコンサルティング・運用支援の内容について聞いた。
――「ebisu growth」の業績は?
足元の業績は絶好調だ。直近の第1四半期(2024年6‐8月期)は、計画比170%、前年同期比240%で推移している。今後の見通しも良好だ。
数字をさらに深掘りすると、とてもポジティブな結果が出ている。
サービスを利用している顧客企業の種別を見てみると、想定では「ebisumart」導入企業が9割、未導入の企業が1割の見込みだったが、実際は「ebisumart」導入企業が6~7割、未導入の企業が3~4割となっている。
これは想定外のポジティブな結果だ。「ebisumart」の既存顧客からも「ebisu growth」をご導入いただけたことに加え、当社と接点のなかった新規顧客となる企業からも「ebisu growth」を高く評価していただき、ご導入いただくことができている。
――新規顧客を獲得できている要因は?
EC事業を成長させたい企業との接点を増やしている。ただ、接点を増やしてもサービスに魅力がなければ、ご利用いただくことはできない。ECモールや自社ECサイトなどさまざまなチャネルに対応し、パートナー企業とともにチャネル選定から出店やサイト構築、運用、集客、制作、SNS運用まで幅広く支援できる。EC事業の成長を戦略立案から実務まで一気通貫で支援できるサービスを評価いただいた結果だと思う。
――どのような内容の支援サービスを提供するケースが多いのか?
大きく3つのパターンがある。
まず1つ目が、EC事業を成長に導く戦略からチャネル戦略、予算配分まで一緒に考える上流領域の支援だ。
2つ目が各チャネルに合わせた広告やSNSなどを支援する集客領域の支援。
3つ目がEC事業者のパートナーとして制作や実務もサポートする運用領域の支援だ。
顧客企業の課題や状況に応じて、支援内容を提案している。
――パートナー企業も拡大しているのか?
着実に拡大している。ECモール支援では、当初1社だったところから3社に増えている。物流分野でもWMS(倉庫管理システム)など複数社のパートナーがある。業務管理ツールを提供しているパートナーも増えている。
――「ebisu growth」を利用する決め手となっているポイントは?
「ebisumart」というECのプラットフォームを20年提供してきたことで、さまざまなノウハウや知見をためてきたことを評価いただいている。データや現場の経験に基づく、アドバイスや提案ができる。
ソリューションの領域が偏っていないことも大きいと思う。単品通販だけ、越境ECだけを支援できる特化型のソリューションはあるが、さまざまな業種・業界のお客さまを全方位で支援してきたからこそ分かるノウハウが、他社との差別化になっている。
EC事業者も特定の領域のみの課題であれば、特化型のソリューションで解決できると思うが、多くの事業者がさまざまな領域で課題を持っている。全体的にどう対応すればいいか、戦略的にどこから強化するのがいいのか、など網羅的に分析して、解決策を提案してほしいというニーズがあり、当社はそこに応えることができている。
――具体的な事例は?
某菓子メーカーは3年後にEC事業の売上高を現在の3倍の10億円まで伸ばしたいという目標を掲げていた。その目標達成のために支援してくれる会社を探していた。
当社もその会社のコンペに参加し、EC事業全体の戦略から、どういうチャネルでどのくらいの売り上げや利益を作っていくかというのを施策まで落とし込んで提案し、採用された。
実際にその会社の支援が始まり、半年が経過している。現在の進捗では、予算に対して120%の実績を上げている。向こう1年分の予算をいただき、今後もさらに支援を進めていく。
具体的には、ECモールの店舗や自社ECサイトの支援を両方手がけている。集客やSNS運用の支援も行い、運用代行も一部行っている。チャネルを横断した成長戦略や支援内容を提案し、それを口だけではなく、目標以上の結果を出している。
その企業は「ebisumart」以外のプラットフォームで自社ECサイトを構築されており、「ebisumart」の導入有無を問わず、抽象度が高い課題をお持ちの企業にもぜひご検討いただきたい。
――顧客企業にとって「ebisu growth」はどのような存在になっているのか?
EC事業責任者の懐刀のような存在になっていると思う。チャネルを超えた戦略を共に考え、広告予算のアロケーション(配分)、実務面のサポートまで一緒に課題を解決している。場合によっては、稟議の作成を支援したり、人材採用・教育の相談に応えたりもする。経営者やEC事業責任者の相談を聞きながら、解決策を一緒に考えることもある。
――「ebisu growth」のサービスの展望は?
サービスラインアップの拡充を計画している。お客さまのEC事業を伸ばし成長させられるようなサービスとして期待してほしい。