Synspectiveは11月5日、同社が運用する自社小型SAR(合成開口レーダ)衛星「StriX(ストリクス)シリーズ」にて、国内最高レベルの高分解能での画像取得に成功したことを発表した。
小型SAR衛星の開発・運用から、取得したSARデータの販売および解析ソリューションまでのさまざまサービスを提供するSynspectiveは、これまで5機連続での衛星打ち上げに成功し、軌道へと投入された後に画像取得に成功している。
同社のStriX衛星は、衛星の進行方向(アジマス方向)に対して直角方向(レンジ方向)に向かって斜め下へとマイクロ波を照射し、地表の画像を取得するとのこと。また撮像モードは複数存在し、今回の高分解能画像は、衛星から発するアンテナビームのオフナディア角をほぼ一定に保持し、衛星と連動して移動させることで、地表面を電磁パルスで連続的に照らし衛星軌道方向に連続して撮像する「ストリップマップモード」に比べ、より高い分解能を実現する2つの撮像モードにより実現された。
そのうち1つが、アンテナビームをストリップマップモードよりも遅く走査させる「スライディング・スポットライトモード」。このモードを採用することで、レーダを地表の特定箇所により長い時間照射できるといい、レーダの照射時間とドップラー帯域幅に比例するSAR画像のアジマス分解能を高めることができるとする。
さらにもう一方の撮像方式が、「ステアリング・スポットライトモード」。レーダを地表の特定箇所に照射し続け高解像度の画像を得るモードで、スライディング・スポットライトモードに比べても観測域を狭めて照射するため、アジマス方向に対しより高い解像度の画像を得ることができるとしている。
そして今回Synspectiveは、これらの両モードによって取得した画像を公開するとともに、その分解能を発表。スライディング・スポットライトモードにおいては、グランドレンジ分解能0.46m×アジマス分解能0.5mの画像を取得し、一方のステアリング・スポットライトモードにおいては、グランドレンジ分解能0.46m×アジマス分解能0.25mと、いずれも国内最高レベルの高分解能画像の取得に成功したことを報告した。