日立製作所は10月30日、日本オラクルとOracle Database 23aiとOracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)を活用した生成AIの協創プロジェクトを実施したと発表した。

同プロジェクトは、若手のデータサイエンティストやクラウドソリューションエンジニアを中心にユースケースの検討から実装まで進め、3カ月でプロジェクトを完了したという。

  • 協創プロジェクトを推進した日本オラクルと日立製作所の若手メンバー

プロジェクトで実施したこと

プロジェクトでは、従来のベクトル検索のみのRAG(Retrieval-Augmented Generationの略。LLMに外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術)アーキテクチャに加え、ユーザーの質問から自動的にSQL文を生成し、リレーショナルデータベースから情報をSQL検索できる機能を実装した。

これにより、ユーザーからの質問に対してエージェントAIが最適な検索方法を選択するため、ユーザーは意識することなく簡単に情報を入手することが可能になる。

企業内の業務データを基に回答する「生成AIエージェント」をOracle Database 23aiとOCI上に実装し、複雑な質問に対して高い回答精度を実現した。

検証の成果

ユースケースとして、全国に工場や店舗を持つ家電企業の在庫管理を対象にし、業務データを活用して検証を実施。その結果、Oracle Database、OCIにおけるRAG構成の生成AIエージェントを実現し、複雑な質問を含めた回答精度として82%の精度が得られたという。

さらに、業務データベースや非構造な業務データを組み合わせ、従来のRAGでは実現できない複雑な問い合わせ対応を実現したという。