パナソニック コネクトは10月30日、現場で動く対象物を光沢などのノイズがあっても高精度かつ1ミリ秒以下でカメラで検出することで物流や製造現場のロボットによる作業を止めずに高効率化するセンシング技術を開発したと発表した。
通常、指定対象物を検出するには、事前に登録した画像を比較対象として用意し、動かした際にカメラで撮影した対象物の画像が登録画像と一致するかどうかで検出するという。しかし、照明の影響により、対象物の表面に光沢などのノイズが生じ、登録画像と異なる画像と認識されるために、指定対象物を検出できないといった問題が発生する。これを解決するには、照明の環境を整えたり、AIなどの高度な画像処理を行い、光沢の抑制を行うなどの方法がある。
同社が新たに開発したセンシング技術は、プログラムで機能を変更できる集積回路を活用している。カメラから転送されるピクセル単位の画像データの転送速度に同期し、画像データの一部を使用して光沢検出する特殊なアルゴリズムを活用。
それにより、順に転送されてきた画像データを即時に画像処理するため、データを保存するためのメモリが不要となり、低遅延な情報提供によって高速なロボット制御を可能になるという。
同社はこの開発にあたり、毎秒1000枚の画像データを撮影する高速カメラを活用。これにより、すべての処理が1ミリ秒以下で行える性能を達成した。
パナソニック コネクトは今後、製造、物流現場で必要とされるさまざまな超低遅延センシング技術の開発を進めていく考えだ。