FANATICは10月17日、ストリートブランドを扱う通販サイトを開設した。「買い物の楽しさである『発見』を提供する」(野田大介代表)目的で、不定期に数日間だけ販売するという。第1弾は俳優・窪塚洋介の私物をオークション形式で販売し、ダウンジャケットは39万1000円で落札となった。
ECサイトを開設した背景について、「ここ10年くらいで『買い物がつまらない』と違和感を覚えるようになった。理由を考えたら、情報が増えたことで、予想外の商品に出会える『発見』の楽しさがなくなったからだと分かった。ストリートブランドの全盛期である1980年代後半から2000年代初頭の『あんとき』を振り返り、価値を残したいと思った」(同)と説明した。
▲野田大介代表
商品やブランドの背景を記事やイベントとして正しく伝え、「ストリートシーンの源流をデジタル上に正しく残す」ことをミッションにしている。時間や場所を問わずに買い物ができるというECならではの特徴をあえて生かさず、不定期かつ数日のみのオープンとした。
「同じコンセプトでEC開設前に実施したリアルイベントには約1500人が訪れた。コアなファンが買って、体験を含めて楽しんでもらえるような仕掛けをオンラインでも実施する」(同)と話した。
第1弾の開催では、「当時の『原宿カルチャー』の真ん中にいた」(同)と言う窪塚洋介の私物2点をオークション形式で販売した。「Supreme」と「The North Face」がコラボした2016年発売のダウンジャケットは、開始価格の1万円から39万1000円の落札となった。
「この取り組みは、コアなファンに向けて売るマーケティング手法としての実験も兼ねている。次回の開催については未定だ」(同)と話した。