SK hynixは10月24日、2024年第3四半期(7~9月期)の決算概要を発表した。
それによると売上高は過去最高を記録した2024年第2四半期の16兆4233億ウォンを上回る17兆5731億ウォン、営業利益も半導体の好況期だった2018年第3四半期に記録した過去最高額6兆4724億ウォンを上回る7兆300億ウォン(営業利益率40%)、純利益も同期に記録した過去最高額4兆6922億ウォンを上回る5兆7534億ウォン(純利益率33%)を記録し、いずれも過去最高を更新したという。
SK hynixは、過去最高業績を更新した背景として、世界トップシェアを有するAIメモリ技術をベースとしたHBMやエンタープライズSSD(eSSD)などのプレミアム製品の売り上げが大きく伸びたためであり、データセンター顧客を中心にAIメモリの需要が堅調に推移していることを強調している。特にHBMの販売は前四半期比70%以上、前年同期比330%以上の伸びを見せるなど、驚異的な成長と遂げているという。
また、こうした利益率の高いプレミアム製品を中心に売り上げが伸びたことから、DRAM、NANDともに平均販売価格(ASP)が前四半期比10%台半ばほど上昇しており、その結果として営業利益も過去最高を更新したとしている。
同社ではこうしたHBMやeSSDなどのAIサーバ向けメモリの需要は2025年も、生成AIのマルチモーダル化が進むこと、ならびに大手テクノロジー企業各社が人工汎用知能(AGI)の開発投資を推進するとの予測から高止まりが続くと予測しているほか、需要回復が遅れていたPCおよびモバイル関連もデバイスごとに最適化されたAIメモリが発売される予定で、着実な成長軌道に乗ることが予想されるとしており、世界トップクラスのAIメモリ技術をベースとした高付加価値製品を中心に売り上げを拡大させることで、さらなる増収増益を目指すとしている。
実際に、同社では既存のHBM3から8層HBM3Eへの急速な移行の推進に加え、2024年9月からは12層HBM3e製品の量産を開始しており、こちらも第4四半期中に供給が開始される見込みであり、第3四半期にDRAMの総売り上げの30%を占めたHBMの比率は、第4四半期には40%まで向上することが見込まれており、その付加価値から収益のさらなる高まりが期待される。
一方のNANDについては、投資効率化と生産最適化に注力しながら、市場の需要が急増している大容量eSSDの販売拡大を図るとしている。
同社のキム・ウヒョン副社長兼最高財務責任者(CFO)は「2024年第3四半期は過去最高の業績を達成し、世界第1位のAIメモリ企業としての地位を固めた。市場の需要に合わせて柔軟な製品・供給戦略を講じることで、安定した収益を確保しながら収益性を最大化していく」と述べている。