電通の消費者研究プロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」は10月24日、2021年から実施している「心が動く消費調査」の最新結果を基に、消費と欲求の関係性を分析し、消費者と企業双方にとって望ましい「消費の好循環」メカニズムを可視化したことを発表した。
「消費の好循環」とは
昨今、消費者と企業は1回限りの関係性で終わるのではなく、いかに双方にとって好ましく持続的な関係性を構築し、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高めるかに軸足が移っている。
「消費の好循環」とは、そのような時代の要請を背景に、消費者と企業の持続可能な関係性構築のために、継続的にブランドロイヤリティを高めて新しい需要を喚起し、次の消費につながるメカニズムを表現した言葉。
DDDは、電通マクロミルインサイトの「人と生活研究所」の協力のもと、2024年5月に実施した「第8回 心が動く消費調査」の共分散構造分析によって、どのような欲求が「消費の好循環」につながるのか、という因果関係を可視化した。
その結果、人間が持つ11の根源的な欲求のうち、特に「誰かの役に立ちたい、世の中の大切なものを守りたい」と「好きなモノを集めたい、好きな事に没頭したい」という2つの欲求が、「新たにやりたいことや、新しいものへの意欲が湧いてきた」という消費者の意欲増進につながり、さらに「同じ商品・サービス、または同じブランドや企業の同じタイプの商品・サービスを購入した・購入したいと思った」という企業や、ブランドのロイヤリティを高める方向にも作用していることがわかったという。
消費の好循環メカニズムを可視化する調査メニュー提供始
電通と電通マクロミルインサイトは、今回の分析結果を基に、商品・サービスに関する消費の好循環メカニズムを可視化する調査メニューの提供を開始する。また、その調査分析でターゲットと欲求の関係性などを明らかにして、ターゲットに対して広告配信をするプログラムも開発しているという。
今後もDDDでは、「心が動く消費調査」を定期的に実施するとともに、欲求インサイトに関する知見、欲求視点の新商品開発ワークショップなどのソリューション提供を通じて、消費への意欲と期待感の醸成に貢献していく構え。