トヨタシステムズと富士通は10月24日、トヨタシステムズのシステム開発と運用の生産性向上、モダナイゼーションの加速に向けて、富士通の生成AIサービス「Fujitsu Kozuchi Generative AI」を活用して実施した実証実験の結果について発表した。

今回の実証では、OS（Operating System）やプログラミング言語などのアップデートに伴い発生する非互換情報の調査や非互換箇所の抽出、プログラム修正を生成AIによって自動化することで、これまでの人手による作業と比較して作業時間を約50%短縮できることが確認されたという。

  • 「Fujitsu Kozuchi Generative AI」を用いたアップデート作業のイメージ

    「Fujitsu Kozuchi Generative AI」を用いたアップデート作業のイメージ

具体的には、JavaやSQLJで開発された約1万5000ファイルを対象に、非互換情報に基づいて生成AIがシステムに影響が予想される非互換箇所を抽出し、プログラムを修正した。両社は今後、JavaやSQLJ以外のプログラミング言語やテスト工程などにも生成AIの適用範囲を拡大し、さらなる生産性向上を目指す。また、こうした取り組みをトヨタグループの他システムやプロジェクトにも展開することで、トヨタグループにおけるモダナイゼーションの加速に貢献するとのことだ。

トヨタシステムズは生成AIの活用によりシステム開発作業効率を向上させ、新たなイノベーションの創出に注力できる余力を生み出すとしている。その結果として、モビリティビジネスや社会への新たな付加価値の提供を目指す。同社は今回の実証の結果を受けて、2025年1月から実業務への適用を開始する。