NTTデータは10月24日、自律型の「AIエージェント」を活用した新たな生成AIサービスを提供開始すると発表した。利用者の指示に応じて、AIエージェントが自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する。

サービスの第一弾として、営業領域を対象にしたサービスを11月より提供する。データ入力作業や、提案書準備、契約書作成、社内文書作成などのタスクをAIが自律的に実行する。営業担当者の負担となっている事務処理、資料作成、日程調整などの業務負荷の低減につなげる。

NTTデータは、生成AIのコンサルティングから導入、運用までを一貫して支援する。2027年までに生成AI関連事業で累計1000億円の売り上げを目指す。

  • NTTデータは営業領域を対象にした自律型AIの提供を始める

    NTTデータは営業領域を対象にした自律型AIの提供を始める

海外だけでなく国内のIT企業でも自律型AIを提供する企業が増えてきた。「ChatGPT」をはじめとする対話型AIは利用者が入力した知りたいことに回答したり、指示に沿って文章を要約したりできる一方で、自律型AIは具体的な指示を入力しなくてもあらかじめ設定した目標を達成するために必要な動作を自ら計画して実行できる点が特徴だ。

富士通は10月23日、ビデオ会議の会話から必要な業務データを推測し、ほかのAIに指示して議論に役立ちそうな資料などを自動作成するサービスを始めた。

例えば、必要な会議に参加して「アジア地域の売上が昨年の半分になっているらしい」といったような会議参加者の発言を踏まえて、データ分析を行うAIを複数選択し、実行を指示する。

  • 富士通はビデオ会議の会話からデータを推測しほかのAIに指示する自律型AIの提供を始めた

    富士通はビデオ会議の会話からデータを推測しほかのAIに指示する自律型AIの提供を始めた

AIエージェントはそれぞれのAIが集めてきた情報をもとにグラフを提示し、「他の地域はおおむね昨年と同等または微増となっていますが、アジア地域だけは昨年比54%と、ほぼ半減していることが読み取れます」といった提案を行う。富士通は同サービスの提供を通じてビデオ会議の生産性向上に貢献する考えだ。