セールスフォース・ジャパンは10月22日、Salesforce Platformとあらゆる大規模言語モデル(LLM)を統合する汎用コネクタ「Salesforce LLM Open Connector」を同24日より国内で提供開始することを発表した。

モデルビルダーの機能として提供される新しいコネクタにより、顧客は目的に応じた任意のあらゆるLLMをSalesforce Platform とシームレスに連携し、業務における自律型AIの活用をより加速させることが可能になる。

今回の発表に際し、NTTコミュニケーションズとNECがSalesforceと協力体制を構築しており、両社のLLMとSalesforce Platform との連携を通じて、日本市場でのエンタープライズ向け自律型AIのさらなる活用を後押しする。

提供の背景

Salesforce Platform上でAI機能を利用する場合、これまではSalesforceが標準機能として提供しているモデル(Anthropic、Azure OpenAI、OpenAI)を利用する形態、もしくは各企業が個別に運用管理しているモデル(Amazon Bedrock、Anthropic Claude、Azure OpenAI、Google Vertex AI Gemini)と接続するBYOLLM(Bring Your Own LLM)という2つの形態で提供してきた。

一方、AI市場は急速に成長しており、日々新しいLLMが各社より提供されている。特に国内においては、日本企業が提供しているLLMを利用したいというニーズが多い状況となっている。

今回、提供を開始するSalesforce LLM Open Connectorにより、顧客はあらゆるLLMとのオープンかつ迅速な接続が可能となり、業務やユースケースに合わせた最適なLLMを選択できるようになる。

さらに、顧客の希望する言語や、業界ごとの専門用語、慣例などのトレーニングがあらかじめ実施された業界特化型のLLMなど、接続可能なモデルの選択肢が広がることで、より顧客のニーズに沿った自律型AIの活用を実現する。

これにより、日本企業におけるSalesforce Platform上での自律型AIの活用が促進され、人とAIエージェントの力でビジネスを成功に導き、カスタマーサクセスを支援する。

活用プロセス

Salesforce LLM Open Connector経由で任意のLLMを利用する場合においても、Einstein Trust Layerが有効化されるため、堅牢なデータセキュリティと安全性を提供する。

企業はSalesforce LLM Open Connectorを活用して、任意のLLMと接続し利用するプロセスとして、「モデルビルダーから、接続対象となる任意のLLMにおける接続エンドポイントや認証キーを設定する」という操作を行う。

これにより、再利用可能なプロンプトのテンプレートを設計し、ビジネスでのAI活用を促進するGUIツールであるプロンプトビルダーから、モデルビルダー上で接続したモデルを選択することで、プロンプトに対するレスポンス生成時に当該LLMが利用される。

あるいは、モデルビルダーで設定したLLMとアプリケーションを接続するためのApexクラスとREST エンドポイントが提供されるModels APIを利用することで、API経由でSalesforce Platformを活用した独自の自律型AIアプリケーションの開発も可能となるという。