高知県吾川郡いの町、四国情報管理センター、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月21日、高知県オープンイノベーションプラットフォームの事業として、観光地の交通渋滞予測を観光客に事前に提供し、交通渋滞が予測される時間帯を避けた訪問を促し渋滞緩和を図るシステムの実証実験を開始する。実証は、いの町にある仁淀ブルーの聖地「にこ淵」で実施する。
仁淀ブルーとは、高知県いの町などを流れる仁淀川流域の美しい透明度と青さを表現する言葉。にこ淵は美しく幻想的なブルーが見られる場所であり、仁淀ブルーを代表する観光スポットの一つとして知られる。
実証の背景
高知県には魅力的な観光地が多く、特に連休やイベント時など繁忙期には特定の観光地へ観光客が集中し、駐車場などで発生する長い待ち時間が問題とされる。さらには、駐車場に入れない車両が道路に滞留し地域住民への迷惑となっていることも課題とされる。
また、にこ淵を訪れる観光客は近隣エリアでの消費活動はあまり行わない傾向にあり、自治体は警備員の雇用など渋滞対策の費用がかかる一方で、地域経済に十分な恩恵がもたらされていない点も課題となっているという。
実証の内容
今回の実証では、にこ淵の入り口にAIカメラを設置し、車両台数を収集・学習させることで渋滞を予測。その結果を渋滞予報サイトやSNSを通じて観光客に発信し、旅行計画の段階で渋滞を避けるプランを立てるよう促し、過度な渋滞を解消し観光客の待ち時間の短縮を図る。
渋滞予報と同時に、いの町の商業施設の情報などを発信することで他の施設への周遊を促進し、地域経済の活性化も同時に目指す。実証の効果は、渋滞予報サイトを活用して「にこ淵」を訪れた観光客に対してアンケートを実施し測定する。アンケートでは主に、渋滞予報サイトを利用して渋滞を避けたかどうか、また、渋滞を避けた際にいの町の他の施設への訪問につながったのかを確認する。