米デル・テクノロジーズは10月15日(現地時間)、ラックが拡張可能な新しい統合システム、サーバ、ストレージ、データ管理ソリューションを「Dell AI Factory」に追加した。高密度コンピューティングとAIワークロードの大規模な展開を支援するとしている。
Dell Integrated Rack 7000
Dell Integrated Rack 7000(以下、IR7000)は、高い密度や持続可能な電力管理、冷却テクノロジーなどによって、アクセラレーテッドコンピューティングに求められる要件を提供する。Open Compute Project(OCP)標準ベースのラックであり、複数世代および異種テクノロジーが混在する環境を長期間サポートできるよう設計しているという。
高密度コンピューティング向けである21インチラックのDell IR7000は、最新かつ物理サイズが大きいCPU / GPUアーキテクチャをサポート。従来よりも横幅と高さのあるサーバスレッドに対応する。特に液冷に特化した設計で、最大480キロワットまでの冷却ニーズに対応し、発生する熱をほぼ100%回収可能。
また、AIワークロード向けに最適化した「Dell Integrated Rack Scalable Systems(IRSS)」は、シンプルでエネルギー効率に優れた展開を実現。完全に統合されたプラグアンドプレイ式のラックスケールシステムによって、シームレスで効率的なセットアッププロセスを可能にする。
IR7000向けのAI対応プラットフォームを提供
「Dell PowerEdge XE9712」は「Dell AI Factory with NVIDIA」の一部で、大規模なAI展開におけるLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)トレーニングとリアルタイム推論のためのハイパフォーマンスで高密度のアクセラレーションを提供する。
NVIDIA GB200 NVL72アーキテクチャをベースとしたこのプラットフォームは、単一のラックスケールデザインで最大36基のNVIDIA Grace CPUと、72基のNVIDIA Blackwell GPUを接続する。72基のGPUによるNVIDIA NVLinkドメインは単一のGPUとして機能し、数兆規模のパラメータを持つLLM推論のリアルタイム性能を最大30倍高速化するという。また、液冷式のNVIDIA GB200 NVL72は、空冷式のNVIDIA H100ベースのシステムよりも最大25倍の効率を実現する。
「Dell PowerEdge M7725」は研究調査、政府・官公庁、フィンテック、高等教育機関などの環境に適したパフォーマンスを提供する。同製品はIR7000ラックへの実装を想定して設計される。
第5世代AMD EPYC プロセッサを搭載した64台または72台の2ソケット サーバノードにより、ラックあたり2400コア~2700コアというスケーラビリティを実現したほか、メンテナンス性も向上。フロントI/Oスロットが高速I/O接続を実現するとともに、高い要件が求められるアプリケーションへのシームレスな接続を提供するとのことだ。
サーバはエネルギー効率に優れたフォームファクターを持ち、CPUのための直接液冷方式(DLC)と、クイックコネクト方式で連結された統合ラック全体の空冷方式の両方をサポートする。