情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan)は10月15日、「Windows 10 のサポート終了に伴う注意喚起」において、ちょうど1年後に迫ったWindows 10のサポート終了に備えて注意喚起を行った。
MicrosoftはWindows 10のサポート期限を2025年10月14日までと定めており、それ以降はセキュリティ修正を含むすべてのアップデートが提供されなくなる。
サポートが終了する対象OS
2025年10月14日にサポートが終了する対象のOSは次のとおり。
- Windows 10 Enterprise and Education
- Windows 10 Home および Pro
- Windows 10 IoT Enterprise
なお、Windows 10の最新メジャーバージョンはバージョン22H2で、これは現時点でサポートが終了していない唯一のバージョンとなる。1つ前のバージョン21H2は2023年6月13日ですでにサポートが終了しており、バージョン23H2は提供されていない。
継続利用のリスク
IPAでは、サポートが終了したソフトウェア製品を継続して利用する場合のリスクについても説明している。例えば、Windows OSの場合、米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA: Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)が公表している悪用が確認された脆弱性が、2024年1月から2024年9月の間だけでも15件ある。その中には、ランサムウェアへの感染に悪用されている脆弱性も含まれている。
ベンダーによるサポートが終了している場合、新たにこのような脆弱性が発見されたとしても、その対処法や修正アップデートが提供されない。したがって、ユーザーは常にリスクの高い環境で仕事を続けることになる。
また、OSのサポート終了の影響が、対象OSの上で稼動しているブラウザやメールソフトといったサードパーティー製のソフトウェア製品にまで及ぶことも警告している。OSのサポートが終了した場合、その対象のバージョンで動作するソフトウェア製品のサポートも同時に終了することが多い。したがって、ソフトウェアに脆弱性が発見された場合などにも、対処法が提供されないことになる。
これらのリスクを回避するために、現時点でWindows 10を利用しているユーザーは、できるだけ早くWindows 11に移行することが推奨されている。