Wrike Japanは10月16日、クラウド型ワークマネジメントプラットフォーム「Wrike」の新機能として、「Datahub」を発表した。同機能は10月23・24日開催予定の年次グローバルイベント「Collaborate 2024」で正式発表が予定されており、今回、日本で先行して発表された。
業務は組織内の障壁を超えて流れなければならない
米Wrike CEOのトーマス・スコット氏は、「現代の業務にはさまざまな障壁がある」と述べ、代表的な課題として、「アプリケーションが多すぎる」「チームがサイロ化・分散されている」「可視性が低い」の3点を挙げた。
スコット氏は、「業務を分断することは不可能と考えている。業務は組織内の障壁を超えて流れるようにしなければいけない。われわれの製品で可視性の課題を解決できる」と述べた。同社のプラットフォームは、あらゆるワークフローを企画から適応までの各ステージでサポートし、組織全体をつなげる。
同社は投資を強化してきたが、Work Intelligenceにおいて、AIを活用した機能の追加に注力しているという。
データの分散によって生じる課題を解決
今回発表された「Datahub」は、ビジネスクリティカルなデータをワークフローに組み込む機能。企業では、タスクやプロジェクト管理に必要な情報が外部システム(スプレッドシート、CRM、ERPなど)に分散しているため、情報の転記やデータ不整合が発生し、多くの時間が浪費されている。加えて、データが重複して管理されているという課題もある。
「Datahub」は、あらゆる業務データをWrikeに統合し、最新の正確な情報に基づいて業務を管理するために必要な信頼性の高い情報源を提供することで、データの分散によって生じる課題を解決する。
「Datahub」では、コネクタを介してさまざまなソースからデータが収集され、一元管理される。すべてのプロセスがタスクとして管理され、マスタデータにひもづいており、マスタデータは変更されたらすぐに反映される。統合管理されたデータはWrikeのダッシュボード機能により視覚化される。
日本市場における3つの施策
日本における施策については、Wrike Japan カントリーマネージャーの泉谷浩成氏が説明を行った。同氏は、「2019年に日本オフィスが立ち上がって以来、コロナ禍、多様な働き方の実現、ワークライフバランスの確立といった日本のビジネス環境の変化に貢献してきた」と述べた。その結果、2019年の時点で700社だった顧客が、現在は1900社を超えているという。
泉谷氏は、顧客がWrikeを活用して解決したい課題として以下を挙げた。
- 業務プロセスの可視化
- 個人、チームのタスクの把握
- スケジュール更新の効率化
- 業務情報の一元化
- レポート作成の簡素化
- 申請・承認フローのデジタル化
そして、日本の顧客は、同社に対して以下の要望を持っていることから、これらに応えていくという。
- 日本の顧客向けのサポートの充実
- 併用するコミュニケーションツール、管理ツールとの統合
- 再販チャネルの拡大
例えば、日本の顧客向けのサポートを充実させるという。具体的には、幅広い活用を提案するとともに、サポートコンテンツを充実させる。また、顧客のリクエストを直接聞く機会を増やしているとのことだ。
ちなみに、Wrikeが2021年にシトリックスに買収されたことを覚えている方もいるだろう。スコット氏によると、2022年にシトリックスから独立し、同氏が入社した理由がそのオペレーションを行うことだったという。