Microsoftは10月10日(米国時間)、X(旧Twitter)への投稿「Microsoft 365 Status / X」において、「新しいOutlook」の使用時にクラッシュする可能性があると発表した。影響を受ける環境では、メモリを大量に消費する可能性もあると説明している。
Outlookの不具合の概要
Microsoftの初期の報告では、この不具合は欧州連合(EU: European Union)の顧客にのみ影響があるとのことだった。しかしながら、Bleeping ComputerによるとMicrosoftの発表の後、世界中のユーザーから不具合の報告が寄せられたという(参考:「Microsoft Outlook bug blocks email logins, causes app crashes」)。
また、一部のユーザーからはWebサービスのOutlook(OWA)が停止したり、奇妙な動作をしたりするとの報告も上がっている。メモリを大量に消費する症状が現れた場合は、アプリの再実行を要求する場合もあるとされる(参考:「glim69 (u/glim69) - Reddit」)。
軽減策
Microsoftは不具合を報告した翌日(10月11日)、管理センターのインシデントレポート「MO907654」またはXへの投稿において不具合を軽減したと発表した(参考:「Microsoft 365 Status / X」)。
軽減策の詳細は、企業向けインシデントレポート「MO907654」(要ログイン)を確認する必要があるが、コーネル大学がその概要を公開している(参考:「itservicealerts.hosting.cornell.edu/view/7347」)。コーネル大学の公開した情報によると、新しいOutlookなどクライアントアプリの利用者は、アプリを再起動することで新しい設定が適用され影響を軽減できるという。また、WebサービスのOutlookの利用者はセッションを更新するか、またはキャッシュをクリアしてからセッションを更新することで軽減可能とのこと。
この軽減策により、通常の利用においてOutlookは期待通り動作すると報告されている。しかしながら、Microsoftは軽減策(mitigated)と表現していることから、不具合が完全に修復されたわけではないとみられ、今後の進捗次第では不具合が再発する可能性がある点に注意が必要と考えられる。