Zenkenはこのほど、中小企業を対象に実施したIT人材の賃上げに関する調査結果を公表した。中小企業の経営者200人に調査したところ、「IT人材の賃上げを考えている」と回答した人の割合は33.5%で、2023年2月に実施した前回調査時の約6割を下回った。
「賃上げを考えていない」とする回答は66.5%で、前回調査の35%を上回る結果に。24年の春季労使交渉(春闘)では33年ぶりの高い賃上げ率となるなど、給与の引き上げの動きが加速した。中小企業でもIT人材の給与を引き上げをしただけに、今後の賃上げには慎重になっているという。
賃上げを考えている経営者に対して賃上げ率を聞くと、「2%以上4%未満」が最も多く37.33%で、「4%以上~6%未満」が25.4%で続いた。「10%以上」との回答の比率は13.4%で、前年の30.8%から低下した。
24年3月以降、消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2%程度で推移している。不足しているIT人材については中小企業でも実質賃金がプラスになっていることが多いと考えられる。
また、社内に「IT人材がいない」と答えた経営者の比率は69.5%と前回調査の結果(70%)とほぼ同程度。「IT人材が不足していると感じている」とした人の比率は39%と、前回調査(37.5%)よりやや上昇した。IT人材が不足していると感じる理由については「IT人材を採用できないから」が51.3%(複数回答)と最も多かった。
「IT人材不足にどう対応しているか」と尋ねたところ、最多は「中途採用」(32.5%)で、「新卒採用」(15%)、「人材紹介」と「リスキリング」(それぞれ14%)と続いた。社員の紹介による「リファラル採用」は13%だった。