日立システムズは10月9日、保守業務に生成AIを適用し、実用化を開始したと発表した。これにより、同社が提供する保守業務の効率化に取り組む。

自社の保守業務への生成AI適用

取り組みのステップ1として、今年10月に日立システムズが担っているIT機器の保守業務において、生成AIを適用し、報告書の自動作成機能を実装、今後、適用範囲を拡張していく。

具体的には、同社の保守エンジニアが持つスマートデバイス内の保守アプリケーションに生成AIを適用し、技術を継承、業務を効率化する。

生成AIによって、作業前に手順や危険ポイントを洗い出して一覧化するチェックシートの自動作成、保守現場で起こり得るミス・事故を写真から予測する現地KY（危険予知）の自動化、熟練の技術をすぐに参照できるAIテクニカルサポート、報告書の自動作成などを実現する。

これにより、熟練技術者の持つノウハウを若手技術者に継承し、品質を底上げするとともに月当たり1,100時間以上の時間削減効果を見込んでいるという。

日立グループの保守業務への生成AIを活用したノウハウ提供

ステップ2として、日立システムズがIT機器の保守業務を効率化する中で培った効率化のノウハウを、OT機器などIT機器以外の保守業務を行う日立グループ会社に提供する。

具体的には、日立パワーソリューションズと連携して、OT機器などIT機器とは異なる保守業務にて生成AIによる効率化の有効性を検証する。

保守業界全体に向け保守ナレッジのサービス提供

ステップ3として、主に中小の保守ベンダーに向けて、日立グループ内で培ったさまざまな業種における「保守ナレッジ」×「生成AI」のサービスを提供する。

  • 日立グループ保守ナレッジのサービス対象範囲