Microsoftは10月3日(米国時間)、「Locally saved Word files with capitalized file extensions or # in the title may be deleted after save - Microsoft Support」において、Wordを閉じる際にドキュメントファイルが削除される可能性があると報じた。原因は調査中とのことで、Wordの利用者に注意を呼びかけている。
ファイルが削除される条件
Microsoftの報告によると、Wordがファイルを削除する条件は次のすべてを満たす場合とされる。
- ファイルの拡張子が大文字(.DOCX、.RTF)、またはドキュメントのタイトル(ファイル名)に「#」を含む
- ファイル編集後に手動で保存せず、Wordを閉じる際に通知される保存プロンプトから保存する
- Windows版のWordバージョン2409を使用している(参考:「使用している Office のバージョンを確認する方法 - Microsoft サポート」)
上記の条件をすべて満たした場合、Wordはファイルを保存してから削除する可能性がある。Microsoftコミュニティにもこの不具合について報告が寄せられており、拡張子に小文字を含む(.DocX、.Rtf)場合も影響を受けるとのコメントが見られる(参考:「Microsoft Word deletes files with capitals in file name extensions - Microsoft Community」)。
回避策
現時点では原因が明らかになっておらず、修正パッチは公開されていない。Microsoftは影響を回避するため、次の回避策を公開している。
- 削除されたファイルはごみ箱に移動している可能性がある。影響を受けた場合は焦らず、ごみ箱から復元を試みる
- ドキュメントを編集した場合は、Wordを閉じる前に手動で保存する
ショートカットからファイルを保存する際に、バックステージビューが表示され煩わしいと感じることがある。そのため、手動による保存を回避し、最後に保存しようとしてこの不具合の影響を受ける可能性がある。Microsoftはこのようなユーザーに対し、バックステージビューの表示を抑制できるとして設定方法を次のように解説している。
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」→「キーボードショートカットを使ってファイルを開いたり保存したりするときに Backstage を表示しない」にチェックする
なお、この不具合はバージョン2409のみに存在し、古いバージョンは影響を受けない。そこで、古いバージョンにロールバックする回避策も存在するが、Microsoftは既知の不具合も復元されてしまうとして推奨していない。